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バベルの塔または火星での生活 このページをアンテナに追加 RSSフィード



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***このブログでは、「ひとりソウル2016」ツアーのセットリストを掲載しています。「ネタバレ」を気にする方は御注意ください。***
オリジナル・ラブに特化したブログです。最新情報から個人的な雑感まで。
最近の情報は[INFO]をご覧ください。[INFO]の日付は、1次情報の出た日付としています。
情報の内容に関しては良心に基づき正確を期しますが、一切の保証はいたしかねます。各自での再確認を切にお願いいたします。

2010年1月12日より、ID変更に伴いURLが変わりました。旧ブログは、移行作業が完了次第削除します。permalinkを使っている方にはリンク切れとなってしまいますが、ご了承ください。

2016/10/29(土)

2016/10/29 札幌 CUBE GARDEN

|  2016/10/29 札幌 CUBE GARDEN - バベルの塔または火星での生活 を含むブックマーク  2016/10/29 札幌 CUBE GARDEN - バベルの塔または火星での生活 のブックマークコメント

今回はCUBE GARDENという、ライヴハウス。札幌では3年前からずっと「BESSIE HALL」だったが、はじめて別の場所でのひとりソウル。自分も初めて行くライヴハウス。会場が大きくなったのか、はたまた小さくなったのかドキドキだったが、ほとんど同じ大きさのハコだった。BESSIEが抑えられなかっただけかも(笑)。

場所は『EYES』のころにホールライヴをやった「サッポロファクトリーホール」の裏手にあたるのだが、もちろんそんな思い出話などなかった。ただ、新しくてきれいな会場だった(BESSIEは老舗のライヴハウス)ので、音響がよく、MCではそこを褒めていた。

「ひとりソウルショウのテーマ」は、かなりジャジーな雰囲気。結局これが、全体の(とくに前半の)雰囲気を決定づけた感じだった。

本編一曲目は、当然のように新曲「ゴールデンタイム」。ほとんど原曲通りのアレンジ。ハンドクラップに反応できる人が意外と少なかったような。

そのまま「Hey! Space Baby」。これは夏のライジングサンロックフェスティバルでもやっていた。畳みかけるようなスピードで、ノるのが難しい。客を乗せるというよりは、オープニングの勢いをそのままに、という感じ。

ここでMC。25周年記念で初期のアルバムをアナログで復刻して、改めて聴いてみたらなかなか良かった。でもファーストはやっぱり「変態」だった(笑)。という流れでファーストから3曲。

BODY FRESHER」は納得の選曲。ひとりなので、インディーズ盤のようなアレンジ。

続いて「Blue Talk」。これがまた素晴らしい。ひとりでいながらも、ほぼ完全再現。冒頭のリフを「ベースです」とおどけながら低弦で弾く。それ以上に村山さんのギターフレーズをほとんどきっちりと弾いていたのが素晴らしかった。当時の音楽は、5人(プラス井上富雄)の演奏の成せる業だったはずなのだけれども、それをひとりで再現してしまっていた。去年の「ひとりソウル」の古い曲でも同じような感慨を抱いたのだけれど、今回はさらにそれに磨きがかかっていた。

そして「昔は一番盛り上げるときにやっていた歌」というMC。おお、これは「ORANGE MECHANIC SUICIDE」か!?と勝手に色めきだったが、もう一つのキラーチューン「DARLIN'」だった。

「相当久しぶりにやります」とは言っていたけれど、『風の歌』のツアーではやっていたし、『白熱』前のころにもやっていなかったかな? しかしここで驚いたのは、アレンジと歌詞がインディーズ盤に寄っていた(正確には、ファーストとところどころ混ざっていた)ことだった。後半にブレイクしてから「あーあ、はっきり君の話を覚えている」と歌う、そっちのアレンジ。

この3曲は、ファーストの回顧というよりは、メジャーデビュー前の再現といった感じ。「デビュー25周年」という次元は超えてしまっていて、そのころのライヴは体験するべくもなかった自分にとっては最高の時間だった。

そのままジャズモードで「きりきり舞いのジャズ」。メジャーデビュー前後のオリジナル・ラヴは、あらためてジャズのニュアンスをうまくポップスに組み替えたサウンドだったのだ、と思った。1曲目の「ひとりソウルショウのテーマ」と併せて考えると、今の田島は「自分もそれなりにジャズを演奏できるようになった」という喜びに満ち溢れている感じがした。アルバム『ラヴァーマン』の曲にもその手法が組み込まれているのは言うまでもないが、次のアルバムにまでその余韻は続くのかもしれない。

髑髏」の前のMCで、「亡くなった友人に捧げて作った」と言っていたのは、個人的には驚きだった。曲を聴けばレクイエムなのはわかるにしても、当時のインタヴューでこのことを言っていた覚えがなかった(ご存知の方は教えてくださるとうれしいです)。曲の背景はほとんど説明しない田島だけに、余計に驚き。

(それだけに今度の『ポップスの作り方』の上梓も驚きなのだけれど、ブログネタに取っといているのでまだ読んでいない。またじっくりと)。

そのあとで「サンシャイン日本海」。「日本海側の街に行った時ばかりやっている気がする」というMCがあったけれど、札幌は日本海側ですよ(笑)。自分もちょうど新潟出身の友人の墓参りに行ったばかりだったので、「髑髏」と合わせてなんだか嬉しかった。

ここで突然企画「田島貴男のポップス講座」。今回はポリリズムの説明。二つの違う拍子を組み合わせて作るリズム。「ヤスタカ君やるねと思った」とお約束のおどけのあとで、オーディエンスを左と右に分けて実演。それぞれに違うリズムを手拍子させる。「今までこれがうまくいったのは新潟だけでしたね」とプレッシャーをかけつつも、今回はなかなかうまくいっていたようで喜んでいた。

そして「次の曲では、スタッフにも誰にも内緒で、スペシャルゲストを呼んでいます。お楽しみに!」と驚かせながら「線と線」。二つのリズムでオーディエンスを分けた後で、またそれを「繋ぐ」というなかなか粋な選曲。

途中リズムをループさせ、「ゲスト」を呼びに裏に引っ込む田島。現れたのは、木根尚登のような大きなサングラスをかけた田島だったものだから、会場大爆笑。無言で謎のポーズを決める。ほんと、ダサすぎてかっこいい(笑)。しばらくステージを縦横に駆け回ると引っ込んで、再び田島が登場。すっかりテンションが上がっていて、ステージの最前列の柵に足をかけてオーディエンスを挑発しまくる。『ビッグクランチ』のころのようなパフォーマンスで、またステージダイブするのか?と思わせるほどだった。

曲後の「スペシャルゲストは"J-SOULブラザー"でした!」というMCに、また会場が大爆笑。なんだかとてもいい感じ。なぜかクールなパブリックイメージがあるのに、実はこういう「馬鹿さ加減」があるところが、田島貴男の素晴らしいところなのだ。


すでに名曲の風格漂う「四季の歌」を朗々と歌い上げると、先日出演したNHK-BS「COVERS Fes」の話。RCサクセションの「スローバラード」と宇多田ヒカルの「Automatic」をカヴァーしたと告げる。昔から大好きだった「スローバラード」は、練習の必要もほとんどなくうまく歌えたと自画自賛するが、「Automatic」はすごく難しかったと告白。

「英語が喋れないところから洋楽好きになった僕たちと、バイリンガルの彼女とでは言葉のリズム感がまったく違う。そういえば、Wikipediaで『英語の講師をしていた』と書かれてますが、アレ誰が書いたんでしょうね? まったくのウソですから」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B3%B6%E8%B2%B4%E7%94%B7

とまた違う驚きのMCを経て、その「Automatic」。キーが違うだけでほぼ原曲通りのアレンジ。田島が歌うとキャンディーズも山口百恵もソウルミュージックになるのだが、これはその正反対。むしろ昭和歌謡になってしまったことに驚いた。田島を含めて我々の世代に刷り込まれている「ブルース」の宿命を感じた。

ただしこれは、忠実に原曲通りのアレンジだったために、余計にそう聞こえたのかもしれない。たとえば「エブリデイ・エブリデイ」のようなテクノアレンジでやってみたら、この曲の先見性や普遍性などを引き出すことが、田島だったらできたかもしれない(残念なことに、最近はアレンジはシンプルな傾向なので、そんなことはやってくれないだろうけれど…)。

新しいスタンダード曲に続けて、自らのスタンダード曲「接吻」。今回は秋向けのしっとりとしたアレンジ。

「フリーライド」は、ドブロギターのボディをパーカッションのように使いながらの激しいアレンジ。途中の掛け合いでは、男と女に分けて掛け合いをさせる。改めて気づいたのだが、今回は男性比率が全体の2割くらい。また減ってきているかな…。

最後に「JJJ」で畳みかけて、最高潮の内に本編終了。

アンコールはほぼいつも通り。「希望のバネ」は、「朝日のあたる道」に匹敵する感動のアルバムラスト曲だと個人的に思っているので、この2曲が連続したのはうれしい。でも残念ながら、最後のリフレインをみんなで歌わせる、というのはなかった。毎回、ちゃんと歌えている人が多くなかったので仕方がないのだけれども、それならいっそ、小沢健二ばりに歌詞をプロジェクターで映せばいいのに。

今回は、販促コーナーをくどいほどやったり、「ポップス講座」だとか、謎の「Jソウルブラザー」だとか、本人も言う通り「グダグダ」な進行で、とてもとても楽しかった。91~2年の渋谷公会堂公演で、「ドリフで回していたから」というだけの理由でアンコールに舞台を回したころのような、最高の「くだらなさ」で溢れていた。

田島貴男を一言でいうと?という質問に「芸人」と答えたこともある田島。これもまたひとつの「原点回帰」なのかもしれない。

2015/07/30(木)

「ビッグサンキュー」の謎(?)

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「ビッグサンキュー」の謎とその解釈の変遷

新譜『ラヴァーマン』。発売からの約2か月、ほぼ毎日のように聴いてきました。

ラヴァーマン

ラヴァーマン

ネットではさまざまなな感想・解釈が出ていることでしょう。いろいろな方の思いに左右されないうちに、自分の思うままを書き留めておきたかったのですが、しかし、私事のとてつもない忙しさにかまけ、まったく感想を書けないままでした。

そろそろ多忙が一段落ついてきたので、ではそろそろ感想でも書こうか、と馴染みのブログへ行ってびっくり。どうやら「ビッグサンキュー」に関してだけは、先に書いておかなければならない事態となりました。

オリジナル・ラブ『ラヴァーマン』最大の謎「ビッグサンキュー」に挑む(ドラ泣き篇)
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20150729/doranaki

オリジナル・ラブ『ラヴァーマン』の楽曲構成を考える(3)~違和感の正体に迫る!
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20150712/OLL3

盟友(と、あえて言います)rararapocariさんのブログ。ここはまさに「オリ馬鹿たちの知の結集」と呼ぶにふさわしく、田島愛に溢れた方々が集い、侃侃諤諤とさまざまな解釈を繰り広げる場です。しかし、このブログにおいて、「ビッグサンキュー」への解釈が非常に拡散していることに、素直に驚きました。

たしかに「ビッグサンキュー」は、なにも考えずに聴けば、『ラヴァーマン』全体の中では「違和感」を感じる曲かもしれません。しかし、たった一点「あのこと」に気づけば、けっして奇を衒った曲でなければ、ましてや「イロ物」でも「捨て曲」でもないことがわかります。田島はようやくこのタイミングでこの曲を発表することができたのですし、後述するように、その間に流れた時間のことを考えるとむしろ涙さえ誘います。

もちろん、「あのこと」に気づいていないのは、rararapocariさんだけという可能性もあります(^^;)。しかし、あれほど自由に解釈を思いつき、しかもまとめあげる能力を持ったrararapocariさんでさえ気づいていない、ということは、もしかするとまだ「あのこと」に気づいていない方は意外と多いのかもしれません。

「あのこと」に気づいている方にはかなりもったいぶった言い回しになっているでしょう。そう、単なる「あのこと」です。しかしそういう方こそぜひ、改めてrararapocariさんのブログを読んでみてください。

この中でさまざまな解釈を思いつくrararapocariさんには、素直に尊敬の念が湧きますし、なにより強い愛情を感じます。このようなさまざまな解釈ができるということは、翻って言えば、「ビッグサンキュー」という曲がその人の人生を写し出すことができる「普遍的なポップス」であることの証左なのだと思います。この曲の深い可能性を感じさせてくれるのが、rararapocariさんの一連の記事なのです。


「2曲目」に期待していたこと

(「あのこと」に気づいている方は、いい加減まだるっこしいはずなので、このセクションは飛ばして構いません)

さて、自分も「あのこと」にすぐに気づけたわけではありません。

アルバム『ラヴァーマン』は、タイトルチューン「ラヴァーマン」から始まります。ORIGINAL LOVEにおける「1曲目」の重要性というのは、何枚かアルバムを聴いた人であれば、とても大きいものであることを知っていると思います。1曲目が「シングル」で、かつタイトルチューンというのは、これまでのORIGINAL LOVEのアルバムの中でも初めてのことです。

「ラヴァーマン」に対する田島の思いというものは、今回のインタヴューの中でも折につけ触れられていた話です。それだけの曲を「1曲目」としているアルバムには、否が応でも期待が高まるものです。

「1曲目がタイトルチューン」というと、マーヴィン・ゲイの "What's Going on"が自然と連想されます。

タイトルチューンであり1曲目の'What's Going on' はもともとシングルとして発表され、この曲を元としてアルバム全体が作られました。結果としてソウルミュージックの中でも類まれなる「名盤」が誕生したのです。

このアルバムの2曲目といえば、'What's Happening Brother'という曲でした。「イントロダクション」としての1曲目が終わってこの2曲目が始まると、いよいよこの稀代の名盤の中に踏み込んでいくんだ、というワクワクした感覚になります。

https://www.youtube.com/watch?v=Jb_MCzuFtg8

'What's Happening Brother'はピチカート・ファイヴ時代の「惑星」の元ネタとなった曲で、田島とも因縁浅からぬ曲*1田島が新譜の2曲目にどういう曲を持ってくるのかということは、アルバムを聴く上での大きなポイントになるだろう、と勝手に期待を高めていました。

ところでその「2曲目」に対して、自分はマーヴィン方向ではない、別の見当をつけていました。それはたぶん、ローリング・ストーンズのような感じで来るのではないかと思っていたのです。ストーンズのアルバムも「1曲目」にアッパーなチューンを持ってくることが多いです。そして「名盤」の誉れ高いアルバムのいくつかは、その「2曲目」にちょっと緩やかな曲を持ってくるというパターンがあります。

具体的には、"Beggars Banquet"の 'Sympathy for the Devil'(悪魔を憐れむ歌)の後に、ブライアン・ジョーンズの乾いたスライドギターが光る'No Expectations'が来るような感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=ONymOaZ-IQ8

だから、シングルとして耳慣れた「ラヴァーマン」の次に、ブルージーな「ビッグサンキュー」のイントロが流れたとき、まさに「キタ!」と思ったのです。

"Stickey Fingers"で 'Brown Sugar' のあとに 'Sway'が来る曲順もとても大好きなので、2曲目にこういう緩い曲が来たというだけでもうハッピーになれたのでした。違和感どころか「名盤確定」くらいの気持ちです。

それにしても'No Expectations'とは田島も渋いなぁ、と最初のうちはのんきに考えていました。

そして「あのこと」に気づくカタルシス

発売から1週間くらい経った頃、アルバムを聴いた人と会話する機会を得ました(ネットではなく対面の会話です)。自分とも趣味の近かったその人は、「2曲目はオーティス・レディングっぽいね」と言ったのです。

自分はストーンズで頭がいっぱいになっていてそのことに気づけずにいたので、「なるほど!」とすぐに同意しましたが、そのときはそれだけ。それ以上に話は発展しませんでした。

けれども、なにか大事なヒントをもらった気がしたのです。家への帰り道でそのことがふと思い出されて、考えてみました。

そして、「ビッグサンキュー」というタイトルを思い出したときに、まさにカタルシスが訪れました。

(ここで溜めます)



オーティス・レディング、と言われたときにすぐに気づくべきでした。

なんのことはない。「ビッグサンキュー」とは、忌野清志郎へのトリビュートだったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=8o58ib6Mmxc

Otis Redding - Try A Little Tenderness

https://www.youtube.com/watch?v=UnPMoAb4y8U


清志郎の2009年5月2日の訃報から、はじめての田島の日記。

http://diary.originallove.lolipop.jp/?eid=434

キングの曲が頭の中でずっと鳴っているよ。キングとすこしだけ一緒に過ごした楽しい思い出が強く蘇っている。キングがオレに話してくれたくだらないかっこいい話で思い出し笑いしたよ。ステージの上で布団を冠って寝ていたキングが、同じ衣装を着ていつまでも寝ていたよ...。あとは言いたくない。そのうち言うかもしれない。

自分が知る限り、田島が清志郎の死について語ったのはこれだけです。

そしてこの「そのうち」が、ついに訪れたのです。

田島はデルタブルースがやりたかったのではなく、清志郎へのトリビュートとしてオーティス・レディング風の曲を作ったのでした。

(清志郎とオーティスの深い関係については、自分がくだくだと書く必要などなく、ちょっと検索すればたくさんの解説が見つかるはずです)

改めて歌詞を読み直してみる

そのつもりで聴いてみれば、この曲の歌詞はまったく不可思議なものではありません。

このまま行くよ / しばらくは会えない / 泣き顔隠したふたり

この「ふたり」は言うまでもなく、清志郎と田島です。田島の一方的な思いなのかもしれませんが、われわれはこのふたりがどれだけ強い絆で結ばれていたかを知ることはできません。知る限りでは、2004年のNHKでの収録が、二人の唯一の共演だからです。

2004/11/11(木) NHK総合「夢・音楽館」第63回 出演

http://originallove.g.hatena.ne.jp/keyillusion/20041111

しかもこの放映では、ほぼ「初対面」だったような印象さえあります(郡山でのRCのライヴを観た思い出を田島が嬉しそうに話していたのを、清志郎が「君だったのか」と茶化すシーンがあった)。


さて、rararapocariさんをして「難関」と言わしめたこの箇所。

さよならの向こう側へ / 旅だったね / きみはぼくからもう自由なのさ

(※「旅だった」はさすがに「旅立った」だと思います)

「きみはぼくからもう自由なのさ」というのは、はたして「ぼく」の独りよがりなのでしょうか?

上でも書いたように、二人の共演はごく限られていたので、田島と清志郎のプライヴェートな関係というのは、われわれ部外者からはわかりません。けれども、もし2004年が初対面だとしても、約5年間は交流の時間があったはずです。「後輩」である田島のことをなにかと気にかけ、かわいがっていた清志郎を想像するのは、それほど難しいことではないでしょう。まさに「優しくしてくれて いつも許してくれて」いた人だったわけです。田島としては「世話になりっぱなし」という思いだったのかもしれません。

それが「さよならの向こう側」という決定的な死の別れによって、「ぼく」が「きみ」に迷惑をかけることがついになくなったのです。つまり、「きみ」が「ぼく」から「自由」になったのです。この歌詞はそのことを"祝福"しているのではないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=XaKt1nYNhmg


もちろん、以上の「解釈」が絶対唯一なものではないことは、言うまでもありません。お前の妄想である、と片付けてもらっても構いません。なにせ田島がインタヴューなどで、直接言及しているようではないからです(全部チェックしてないので、もしあるのなら教えてください!)。

しかしこれまでの例を考えると、自分からそういうことを語ることはないと思われます。それは「アポトーシス」が、ある男たちへの挽歌であることを、今となっては知る由がないのと同じことです。

マイレヴュー その8『ビッグクランチ』 第3回(全3回)
http://originallove.g.hatena.ne.jp/keyillusion/20070918/myreview

(「ビッグクランチ」ツアーの田島が、この曲で目に涙を浮かべていたのが忘れられないのですが、今回「ビッグサンキュー」でどういう顔をしながら歌っていたのかが観られなかったのは、とても残念でした)


「ポップス」は人生の鏡。聴いた人それぞれが、自分の人生を反映した解釈を自由にできることこそが、かけがえのないことなのだと思います。田島もきっとそういう部分を大切にして曲を作っているのだと思います。



(蛇足)

清志郎との共演の時、「JUMP」をカヴァーしているのですが、「希望のバネ」の「思いきりジャンプしよう」というのは、このオマージュなのかな?(これはかなり妄想)

*1:ただしそのアレンジは小西康陽だったのでしょう

中居中居2015/08/01 03:201996年頃、宮田さんとスタジオでお会いした時、あっ、元オリジナルラヴの〜と言うと、微妙に苦笑いされた思い出がある。
本人は嫌だったんだろうなー。今、思うと。
もう自由なのさ。

rararapocarirararapocari2015/08/02 22:41ありがとうございます。
自分は忌野清志郎自体に思い入れがあまりないので、全くの想定外からの指摘でしたが、ストーンズや、オーティスレディングの話と絡められると、非常に納得しやすい解釈だと思いました。確かに、まさに「ビッグ」な感じの曲調からすれば、歌われる対象はドラえもんやのび太ではなく(笑)、大物であるとした方が理解出来ます。
ただ、やはり「公園の芝生に 青いシートを」の部分など、歌詞の意味をそのままとると、相手が清志郎ではしっくり来ない部分があります。
また、それほど大物への歌であれば、やはり2曲目という中途半端な曲順がよくわかりません。アポトーシスのような曲順であれば分かりますが。
とはいえ、聴いた人それぞれが、自分の人生を反映した解釈を自由にできることが重要という指摘には同意できます。この曲に限っては、想像力を働かせるのも結構難しいですが(笑)

keyillusionkeyillusion2015/08/04 01:54>中居さん
どうもありがとうございます。亡き宮田さんのそのエピソードを引き出せただけでも、この駄文を書いた意味がありました。

keyillusionkeyillusion2015/08/04 02:03>rararapocariさん
清志郎で頭がいっぱいになって、他の自由な解釈ができませんでした。なんだか「不自由」な話です。

まだインタビューをぜんぶ読んでいないのですが、とくにご指摘がなかったということは、やはり田島が特にこのことに言及していないらしいことはわかりました。

「公園の芝生」というのは、清志郎だとすればフィクション的な風景なのだと思います。「青いシート」が「青空」(なにも不安要素のない日常の象徴)との対比なのでしょうが、イメージ的な描写以上の意味はあまり感じられません。ただしこの曲が、「夜の宙返り」の続編なのだとすると、また解釈が変わってきそうです。

「2曲目という曲順」は、そこは「ノー・エクスペクテーション」へのオマージュということで、自分の中では違和感がないのですが(笑)、「3部構成」という聴き方をすればこの位置以外が逆に思いつきません。そのあたりは、全曲レビューの時に考察してみます。

keyillusionkeyillusion2015/08/04 02:05ところで、この間「グレーテルのかまど」というNHKの番組でくるりの「ばらの花」が取り上げられていました。
http://www.nhk.or.jp/kamado/story/index50.html
自分は「失恋ソング」と解釈して聴いていたのです。悲しみのあまり「ジンジャーエールこんな味だったっけな」と思う、切ない曲なんだと。
ところが、そのジンジャーエールの味の違和感は、実は「単なる実体験」。作詞しようと決めて、久々にジンジャーエールを買って飲んだら、辛口だと思っていたのに甘くてまずい、と。ただそれだけ。もっとなにかエピソードがあるのだと思っていただけに、それを知ってかなりの衝撃でした。
まぁでも、こういう「勘違い」こそがポップスの醍醐味であり普遍性なんだよな、と思ったのでした。

SWEET SWEETSWEET SWEET2015/08/10 01:36keyillusionさんの「ビッグサンキュー」の解釈が、自分の抱いた感想と同じもので安心しました。この曲は忌野清志郎への個人的な思いを綴ったラブソング(でもある)ということで間違いないと思います。
オーティス・レディングを思わせるブルージーな音作りは言うまでもなく(オーティスを敬愛する清志郎はメンフィス名誉市民)、歌詞の端々に清志郎を連想せざるを得ない「ヒント」がちりばめられていますし、明言はしないまでも清志郎への思いをかたちにしたかった田島貴男の感謝の念が、ユーモアを湛えた作風から伝わって来ます。

もちろん田島の目指すポップスとは、個人的な出来事をそのまま曲にして自らを慰めるような狭いものであるはずもなく、特定の人物との思い出のようなものを内包しながら、生きていれば誰もが経験する、大切な人と離ればなれになるという痛みを、普遍的なラブソングのかたちをとって表現したかったのでしょう。
シンプルなラブソングとして聴くことも出来るし、解釈は聴き手の数だけあるべきだと考えているからこそ、あえて田島は清志郎のきの字も出さないのでしょう。

物語の小道具として「青いシート」が登場しますが、ここで大切なのはふたりの関係性であり、木を見るのではなく森に目を向けることが、田島が言うところの「ポップスの持つ謎やミステリー」を読み解く手がかりなのだと思います。おそらく意味や整合性で答えが見つかる代物ではなく、聴く側が自分自身の経験した喜びや痛みを探った時に初めてカタルシスを伴って迫ってくるのが田島貴男の書く歌詞であり、当てる光の角度を変えると全く異なる姿を現す多面的な構造を、確信的に作り上げているのだと思います。
個人的にはこの別れをして「しばらくは会えない」「泣き顔隠したふたり」という表現は作詞家としてのちょっとしたひとつの到達点ではないかなと感動しています。


田島がアルバム「ラヴァーマン」を通して伝えたかったものを一言で端的に表すとすれば「99粒の涙」の一節「変わった夢もある/変わらない気持ちも」ということになるのでしょうか。過ぎていく時間を音楽で表現する上で、「死」というテーマは身近にある実感として、どうしても歌う必要があったのだと思います。
keyillusionさんの仰るように、キャッチーな1曲目から緩やかな2曲目に繋がる流れは極めてストーンズ的であり、自分はすんなり受け入れることができました。「ビッグサンキュー」はともすれば大仰な印象になりがちなテーマの曲なので、あえてアルバムの前半にさらりと配置して全体のバランスをとったのではないでしょうか。


こちらの記事のきっかけとなったrararapocariさんのブログ(素晴らしい3本立て!)と合わせて、とても楽しく読ませていただきました。
「ラヴァーマン」に関するインタビュー記事や感想を綴ったブログなどは読み応えのあるものばかりで、やはり聴いた人それぞれが、何か語らずにはいられない魅力に溢れた強いアルバムであることの証明なのだと思います。

2015/05/26(火)

ソウル歌手としての田島貴男

| ソウル歌手としての田島貴男 - バベルの塔または火星での生活 を含むブックマーク ソウル歌手としての田島貴男 - バベルの塔または火星での生活 のブックマークコメント

こまめな更新を諦めて気づけば5年。もう、タグの付け方とか「はてな記法」とか、すっかり忘れてしまっています(笑)。リハビリも兼ねて、ゆるゆると綴ります。


ここ最近、『ラヴァーマン』発売を控えて、久しぶりにプロモーション活動が盛んです。

このプロモーションの多さは、インディーズ独立以来、最大の規模でしょう。しかし、オフィシャルは相変わらず情報が遅く不完全で、かなり後追いになっています。この「ブログ」の世界は5年前からおとなしくなった印象があるのですが、みなさんは今、どのあたりで情報を集めているんでしょうか? (やはりTwitter?)


まぁそんな、露出が多い中で出演した、NHK「The Covers」でのカヴァー。世良公則の「あんたのバラード」とサザンオールスターズの「いとしのエリー」。

「あんたのバラード」 https://www.youtube.com/watch?v=h6kTvfiJmO4

「いとしのエリー」 http://www.youtube.com/watch?v=dfn6RShEmu0

「いとしのエリー」は、「銀ジャケットの街男」はもちろん、ピチカート時代の「これは恋ではない」にまで遡って、田島とは縁の深い曲。ぜひ、ライヴで聴いてみたいものです。

2曲とも「余計なアレンジをしない」というのが、とても印象的。自分はアレンジャーとしての田島が好きなのですが、こうやって聴くとパフォーマーとしての、あるいは「ソウル歌手」としての田島の魅力が引き立ってすばらしいです。

とくに「いとしのエリー」は、この曲に隠されていたソウルミュージックの要素を、はっきりと浮き彫りにしたという点で感動的です。これはパフォーマーとしての至上の仕事でしょう。


そういえば、前回出演時の山口百恵「プレイバック・パート2」のカヴァーも凄い! こんなにソウル色がある曲とは思いもしなかった(笑)。

https://www.youtube.com/watch?v=nQtdze9PfKE

(やりすぎ感もありますが^^;)

また、フジテレビ「水曜歌謡祭」での、和田アキ子や鈴木雅之との共演も記憶に新しいです。日本の「ソウルフル」を代表するこの両名を"差し置く"ほどの圧倒的な存在感です。

https://www.youtube.com/watch?v=9uo91KZ0u7g

https://www.youtube.com/watch?v=xeeMvmpa6AY


しかし本当に驚くべきは、別のところにあると思います。自分の曲を歌うと、この「ソウル」が消えてしまうのです。

「ラヴァーマン弾き語り」 http://www.youtube.com/watch?v=g04J3_gzcj4

「消える」という言い方よりも、「曲の中に溶けて融和する」と言った方がいいでしょうか。曲調自体は、ネチッコイ歌い方と対極のような爽やかさがあるにもかかわらず、両者がぶつかってもすっかり違和感を感じません。ここには「ポップス職人」としての矜持があるのでしょうか。

まあもっとも、こちらはもう田島の曲を長年聞いているので、彼の曲を自動的に「ポップス」として聞いてしまうせいもあるのでしょうがね。

***

まぁこんな感じで、ニューアルバムの発売を待っています。フライングゲットできそうなので、久しぶりに聴いた感想を書きたいと思っています(が、時間がないのであまり期待しないで)。

SWEET SWEETSWEET SWEET2015/05/27 04:59いつの間にかライブの後、メディア露出の後はとりあえずTwitterで検索してみるというのが習慣になってしまいましたね。で、ポジティブな反応を探して喜ぶという。

「いとしのエリー」の敬意に溢れたカバー、良かったですよね。keyillusionさんの指摘で気付きましたが、確かにカバー曲と自曲には明確に扱い方の違いがありますね。
あまり言及してる人っていないような気がするんですけれど、桑田佳祐に一番近い音楽家って田島貴男ですよ。日本屈指のメロディメイカーでありながら自らパフォーマンスするロックンローラー、いかがわしいのに人懐っこいエンターテイナー、芸能と技術という意味での芸術を指向するバランス感覚を持ったソングライター。それこそ「ソウル歌手」である点でも一致していますよね。もちろん血肉となった音楽もかぶっているでしょう(田島貴男の場合、雑食かつ大食漢なので守備範囲は桑田佳祐以上でしょうが)。両者共に大衆音楽のプロフェッショナルなんですね。
オリジナルラブとサザン共通のファンってどのくらいいるのか分かりませんが、歌ものの洋楽で育ち、それを日本人としていかに消化して歌い演奏していくのかを突き詰めた時に、このふたりのスタイルが近い表現に落ち着くというのも分かる気がします。
オリジナルラブファンの方でサザンは食わず嫌い(その逆も同様)という方がいたらそれはとても勿体ない。


「ビッグサンキュー」という曲名を見てもしやと思ったのですが、アルバムのダイジェストを試聴して確信しました。この曲は以前2009年頃のライブで演奏された未発表曲「路上」の完成版のようです。歌詞こそやや変わっていますが、メンフィス感溢れるいなたいサウンドは当時聴いたものと同じです。音から言葉から、旅立って行ってしまった人への思いが感じ取れて、田島貴男ならではの見送り方にグッときます。

しかしなにより今回のアルバム先行試聴で一番驚いたのは「フランケンシュタイン」という曲。Curtis Mayfieldばりの黒くタイトなファンクに生まれ変わってはいますが、この曲も「路上」と同時期にライブで披露した未発表曲で、西部警察に影響を受けて作ったと語っていた刑事モノの珍曲「大追跡」でおそらく間違いなさそうです。フルで聴いてみないことには断言出来ませんが、サビのメロディはライブで聴いたものと同じです。
「大追跡」は中盤で裏打ちの展開があったり、ギターを銃に見立てた田島&木暮の銃撃戦コーナーがあったり、だいぶユニークなつくりの曲でしたが、スタイリッシュにお色直ししたようです。
「希望のバネ」もやはり同時期のライブで演奏していました。つまり「ラヴァーマン」というアルバムの幾つかの曲は、原型自体はだいぶ前に出来上がっていて、Daft Punkの例のアルバム以降の生音歌ものが見直されている今、満を持してのリリースとなったようです。

2009年頃といえば田島貴男がハーレーにどハマりしていた頃。ああ確かに、移り変わる景色を楽しみながら大地に近いポジションで走っていると生まれる曲というのは、こんなメロディでこんな言葉でこんなBPMになるのかもしれないなと納得がいきます。
タンデムでハーレーに跨がる背景に今の日本の街が写り込んでいるというジャケットのデザインも示唆に富んでいて、腑に落ちます。
「夜をぶっとばせ」の生き急ぐようなスピード感とはまた違う、シートの後ろの誰かを気にかけ時折笑いかけているような包容力のあるドライブミュージックがアルバム「ラヴァーマン」なのかなという印象です。


世の中には「『悪魔を憐れむ歌』のアルバム」であるとか「『ワイルドサイドを歩け』のアルバム」と呼ばれるような(呼びたくなるような)名盤があります。
「この1曲だけでOK」というほどの求心力を持った曲が主役の、‘隙のない完成度’であるとか‘コンセプトアルバム’云々を軽々と越えてくるという類いの、愛すべき名盤です(考えてみれば「10ナンバーズ・からっと」は「『いとしのエリー』のアルバム」といってもいいのかもしれないです)。
アルバム「ラヴァーマン」はその括りで言えば全編通して聴く前からすでに名盤確定です。
もっともアルバムに収録された曲はどれも、主役のお膳立てというには粒揃いの名曲だらけの予感がしますが、そのままアルバムタイトルに冠するほどの自信作であるこの表題曲がアルバムの顔として、そして「接吻」のように日本のポップシーンに愛される「有名な曲」として独り立ちしていけばいいなと思います。



毎度長々とすみません。素晴らしいブログの内容に添うコメントではないかもしれませんが、keyillusionさんに聞いてほしかったことを粗方ぶちまけたので、おかげ様で自己満足だけはしています(笑)。またこちらのブログを通して様々な知らないことを教えていただければと思います。フラゲ羨ましいなあ。

keyillusionkeyillusion2015/05/27 14:14SWEET SWEETさん、お久しぶりです。

ラジオで「寝かせていた曲が多い」と言っていたのは、そういうことだったんですね。驚きました。『白熱』前のライヴはまったく観られなかったので。

興味あるネタ満載で、一つ一つフォローしたいんですが、とりあえずラジオの聞き取りアップでご容赦ください。

ダイジェストは、まだ聴いていないです。できるだけ、レビュー頑張ってみます。
あ、ネタバレになるから、あわててアップしなくてもいいのか。^^;

keyillusionkeyillusion2015/05/27 14:17ひとつだけどうしても。
特にEMI時代には「1曲目にインパクトがある」と言われていたオリジナル・ラブで、『ベガーズ・バンケット』のようなスタイルのアルバムは、実は初めてなんですね。聴きどころのポイントが搾れたような気がしてます。

SWEET SWEETSWEET SWEET2015/05/27 15:56お久しぶりです。
keyillusionさんがせっかくまっさらな状態でアルバムを楽しもうかというところに水を差してしまいました。気が付きませんで、申し訳ありませんでした。いつもお付き合いいただきありがとうございます!
関東のFMではまだプロモーションがほとんどない状態なので、最新アルバムに関する話題の書き起こしはとてもありがたいです。

表題曲を1曲目に持ってくるアルバムって実は初めてですね。「Brown Sugar」や「What's Going On」など往年の名盤をどうしても思い浮かべてしまいますが、気持ちをフラットにして発売を待ちたいと思います。ちなみにkeyillusionさんのレビューは発売前発売後いつであろうと読んでみたいです。

keyillusionkeyillusion2015/06/14 20:39一般発売までされてしまいました。
相当聴きこんでいます。それだけに書きたいことも多すぎて、まだまとまりがつきません。
もう少しお待ちください。プライベートも忙しく、最悪の場合来月以降になりそうですが。

2014/10/25(土)

ライヴ観戦記 ベッシーホール 2014

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観ていたのは、後方右壁側。

ネタバレ防止


0.ひとりソウルショウのテーマ

メロディがソウルフル、というよりはちょっとポップになった。

1.月の裏で会いましょう

イントロでは何かわからず、歌いだして大きな盛り上がり(この曲に限らず、全体的にそんな感じ)。

「イエー!サッポロ!」とさっそくのご当地コール。

<MC>昨日は倶知安で。「クッチャンクッチャン」と妙に盛り上がりました。

2.Let's Go!

かなり「黒い」感覚のアレンジ。次の曲と共に、今日のアレンジとしては非常に良かった。

<MC>ずいぶん久しぶりに演奏します。

3.Million Secrets of Jazz

『サニーサイド』ヴァージョンを基調としたアレンジ。ベース部分などもかなり忠実に再現。

4.ファッション・アピール

ちょっとアップテンポで、疾走感のあるアレンジ。

<MC>「田島初期からの曲です。今は…田島中期かな」

5.誘惑について (ピチカート・ファイヴのカヴァー)

https://www.youtube.com/watch?v=acXIGgtL-L4

 客の指笛は、自分のもの(笑)。

<MC>「北海道はオートバイ乗りとたくさんすれ違ってうらやましい。そういう意味で最も北海道らしい曲を」

6.バイク

そういうMCもあったので、かなり開放的な感じの演奏。

<MC>「はじめてお客さんにお願いをします。ワン、ツーと合図したら「サンシャイン!」と叫んで下さい」

7.サンシャイン日本海(negiccoのカヴァー)

改めて本人の歌で聴くと、とても田島らしいメロディが際立つ。サビがマイナーコードに変化するあたりなど。

8.ウィスキーが、お好きでしょ(石川さゆりのカヴァー)

アコースティックライヴで見せるような、ジャズのコードをソロでぽろぽろと奏でて、そのまま歌につなげる。

非常にしっとりとした歌い方で、みんな聞き惚れる。

9.接吻

前曲からそのままの流れで、歌いだしはしっとりとしていたが、後半に向けてだんだんアップテンションに。「接吻」でああいう盛り上がり方は珍しい。

10.朝日のあたる道

間髪をおかずにメドレー。客、ほぼいっしょに歌い、さらに盛り上がる。

指笛を鳴らす客が今日は自分一人だけだったが、この辺で田島も指笛吹く真似してくれた(笑)。

<MC>このベッシーホールは、全国のいろいろなこのサイズのところと比べても、音がとてもいいところです。札幌いいですね。住みたいくらい。

11.The Rover

リズムを取るループのテンポが微妙にズレて、少し変拍子気味な演奏。

12.ブロンコ

久々の「ブロンコ」。スライドギターが見事で、オリジナル以上にスワンプ感が。

13.BODY FRESHER

ソロ部分ではステージの前方に出てきて、いい盛り上がり。

14.エブリデイ エブリデイ


<アンコール>

1.フリーライド

リゾネイターに持ち替えて、あまりギターを鳴らさない大胆なアレンジ。初期のころと比べると、「ひとりソウル」のスタイルも相当に手馴れてきて、自由に使いこなしているように見えた。

2.JAMPIN' JACK JIVE

掛け合いがなぜか「サミー・デービス・ジュニア」(笑)。突然思いついたみたいで、客が付いていくことに本人も笑っていた。

<MC>札幌、去年10年位ぶりに来てとても盛り上がって、またすぐに来たので盛り上がるか心配だったけれど、盛り上がってよかった。

今、アルバムのレコーディング中。これから地獄の歌詞作り。次は、たぶん「最高傑作」になる予感がします。オリジナル・ラヴのエッセンスがギュッと詰まった感じプラス新しいこともやっている。次はバンドで来ます。

3.ムーンストーン

そもそも「ひとりソウル」向きの曲。田島の歌がじっくりと聞ける上に、たぶんレコーディング当時よりもギターの腕が上がっている。

<アンコール2>

1.夜をぶっとばせ

ダブルアンコール。予定調和。まぁうれしいけれど。


ちょっとセットリストが固定的な感じもあるけれど、盛り上がりのツボは外していない。

「ひとりソウル」というスタイルが、すっかりと血肉化しているのを感じた。

やはりギターが上手い。ソロであそこまで「聴かせる」ようになっているのは、昔では考えられなかった。

まぁやはり、本人が「楽しそう」に演奏をしているのが一番うれしい。まだ『ビッグクランチ』のころの、殺気立ったようなイメージがこびりついているので(あれはあれで最高だったけれど)。

2013/07/16(火)

今の気分で選ぶオリジナル・ラブの10曲 バベルver

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『エレクトリックセクシー』のレビューを待っている方は、ほんの少しだけおられるはずなのですが、なかなかまとめられなくてすみません。個人的に人生の大転換を迎えていて、当然ツアーにも行けていないのです。さらには、長らくORIGINAL LOVEについての文章を書いていないので、頭の中のことを文章にするのには、若干のリハビリが必要なのです。

そんな折、hiroumiさんのブログを拝見していたら、面白そうなことをやっていたので、リハビリがてら便乗します。

今の気分で選ぶオリジナル・ラブの10曲
http://www.tokyo-ongaku.com/?p=3508

選んだ基準は、

・ライヴで聴いてみたい
・個人的に好き
・hiroumiさんと被らないこと(二番煎じなので)

となります。カウントダウン形式で。


第10位「あたらしいふつう」 (『白熱』)

なんか、意外とライヴでやっていないですよね。今回のセットリストからも外されましたし。この曲は、『白熱』の中でも後からできた曲なので、ライヴで数をこなすべき曲だと思うのです。やっぱり「太陽を背に」と被ってしまうからなのかな?

白熱』の曲としては、「ハイビスカス」も冷遇されているな、と思います。ただそれは、「ひとりソウル」で聴いてみたい。

第9位「Xの絵画」 (『ムーンストーン』)

過去曲で、今回の『エレクトリックセクシー』のアレンジでやってもらいた曲は多いと思いますが、これもその1曲。同系列の1曲としては、「FAT LOVE STORY」かな。それやったら、懐かしさもあいまってもう泣いちゃいます。

第8位「ブロンコ」 (『RAINBOW RACE』)

L』~『ビッグクランチ』のころに、ほぼ毎回アレンジを変えて演奏されていた曲。その断片は、『XL』に収められていますが、あの後もさらにアレンジが変わっていったのですよね。スワンプな原曲が、イメージをどんどん破壊されていく有様は、当時の田島がいかに先鋭的であったかということを示す象徴的な1曲でした。エレクトリックソウル的に再解釈してもらいたい。

第7位「ティアドロップ」 (『EYES』Standard of 90's)

今年発売20周年の『EYES』。そのリマスター版に収録されています。

もともとは「モグラ・ネグラ」というテレビ番組のタイアップ曲。『結晶』と『EYES』の間に収録され、シングル「サンシャイン・ロマンス」のカップリングとしてリリースされましたが、アルバムには収録されなかったマニア向けの曲です。

しかし、単なる「知られざる1曲」ではなく、極上の「ポップス」です。爽快感と開放感と、そしてどこか悲壮感にあふれた素晴らしいサビのフレーズ。それが最後に何度も何度も繰り返されるあたりでは、熱いものが胸にこみ上げてきます。田島本人も絶対に忘れているに違いない1曲ですが、田島が目指す「ポップス」は間違いなくこの1曲の中に体現されていると思います。


第6位「ロデオ・ソング」 (『RED CUATAIN』)

レッド・カーテン時代の、ものすごく変な曲。どういう頭の構造しているんだろう?というくらい曲調がころころと変わっていきます。「なんかわかんないけど、変わっていてカッコイイことしたい!」という衝動だけでできているような曲。これを大人の田島がどう演奏するか、という辺りに興味があります。バンド形式だったら、「Mr.Big Rock」もいいですね。

第5位「インソムニア」 (『L』)

これは今回のツアーで絶対やるだろう!?と思っていたら、外されてしまった曲。「ディア・ベイビー」とどっちをやろうか最後まで迷ったに違いない、というのは自分の勝手な妄想。『L』で聴いていた当時は、この曲の良さがまったくわからなかったのだが、その後ニューウエーヴなミュージシャンに遡って聞いていって、あぁそういうことがやりたかったのか、と後で分かった曲。今回を逃したら、もう日の目を見ないかもなぁ。惜しいなぁ。

第4位「スキャンダル」 (『結晶』)

これを生で聴いたのは『Sunny Side』アレンジ(『風の歌』ツアー)だったので、ぜひオリジナルの『結晶』アレンジで聴きたい。この曲をラジオで聞いて衝撃を受けたのが、ORIGINAL LOVEにハマったきっかけだったのだけど、20年経った今でも当時の感動がよみがえります。これ以上考えられないベストテイクが、レコードの中に刻み込まれている、というのがこの曲のすごいところ。

だから、しーたかさんのドラムとは、ちょっと相性が違うのかも。じゃあ、メジャーデビュー時オリジナル・メンバー復活で!…いやいや、それがないのが、オリジナル・ラブのいいところ。…でも見たいなぁ。


第3位「地球独楽」 (『ビッグクランチ』)

画期的な大作だったのに、結構冷遇されていますよね。「STARS」と並んで再評価されてほしい1曲。

ただこれは、バンド形式ではなく、「ひとりソウル」か「アコースティック」でやってほしい。どうひとりで演奏するか、あるいはアコギ1本でやってくれるか、というところに注目して。

第2位「美貌の罠」 (『踊る太陽』)

これだけhiroumiさんと被ります。それだけこの曲はライヴで聴いてみたい! 実はまだ、ライヴ未体験なのです。『踊る太陽』のころ、ライヴにぜんぜん行けなかったので。

多くの方が感じたと思うのですが、リフが「ファッション・アピール」と被ります。今回のツアーで「一撃アタック」→「フィエスタ」というメドレーができたというのなら、「ファッション・アピール」→「美貌の罠」という流れもアリだと思います。元々がレア・グルーヴっぽい曲なので、エレクトリック・ソウルバンドの面目にかけて、やってもらいたいです。

第1位「TIME」 (『LOVE! LOVE! & LOVE!』)

これはもちろんバンド形式で! これのイントロが聴けたら、死んでもいいです(笑)。


ベスト3ほど文章が短くなっていますが(笑)、それほど直観的に「見たい!」と思っているのです。

林2013/08/04 17:06本当にティアドロップ良い曲ですよね。最近、I PODでこの曲ばかり繰り返し聴いています。

今日、神田の神保町の古本屋街を一日中散策したら、月刊カドカワ特集(rainbow race)とマーキー特集(ビッククランチ)が買えてかなり嬉しかったです。

keyillusionkeyillusion2013/08/06 00:49林さん、ありがとうございます。
「ティアドロップ」さすがにファンも忘れつつある曲だと思いますが、語り継ぎたい名曲です。

マーキーからも10年以上経ってしまいましたね。またあのレヴェルの特集をどこかで組んでほしいものです。