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バベルの塔または火星での生活 このページをアンテナに追加 RSSフィード



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***このブログでは、「ひとりソウル2017」ツアーのセットリストを掲載しています。「ネタバレ」を気にする方は御注意ください。***
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2011/07/21(木)

ORIGINAL LOVE『白熱』を聴いて3週間が経った

| ORIGINAL LOVE『白熱』を聴いて3週間が経った - バベルの塔または火星での生活 を含むブックマーク ORIGINAL LOVE『白熱』を聴いて3週間が経った - バベルの塔または火星での生活 のブックマークコメント

オリジナル・ラヴの音楽は新たな境地を迎え、作る曲全てが自然と『ポップス』を奏でることだろう。

すごく曖昧な記憶からの引用なのだが、二見裕志がこんなことを雑誌で書いていた。原典を正確に引用したかったのだが、膨大な雑誌の山の中に埋まってしまった…(無事「発掘」できたら改めて引用します)。

今『白熱』を聴いた耳では「まさにそのとおり!」と思うだろうが、これ実は、10余年前、『ビッグクランチ』のときに言っていたこと。そのときその文章を読んで、「まさにそのとおり!」と膝を打ったので、覚えていた。

白熱

白熱

白熱』をはじめて聴いて、そろそろ1ヶ月が経とうとしている。

ORIGINAL LOVE の新譜はいつも、熱で浮かされたように、それこそ自慰を覚えたサルのように、とめどなく聴き続けるのだが、この感覚も実に4年半ぶりのことだ。ところがまぁ(今だからこそ書くが)前作はそれを受け入れるのにものすごく労力を必要として、ある意味「苦行」のようだったのだが、今回は聴くことがそのまま「歓び」になっている。もちろんそれは、『街男 街女』以来なのだが、こんなに聴くたびにワクワクするのは、それこそ『ビッグクランチ』のとき以来かもしれない(『ムーンストーン』は大好きなアルバムだが、もっと静かな喜びだった)。

全体印象を軽くまとめて…と書き始めたが、やっぱり1曲1曲ごとに書きたいことが溜まっていた。とりあえず、吐き出せることを吐き出してみる。前に書いた「第一印象」は、やっぱり第一印象でしかなくて、前に書いたことと矛盾する点もあり。


1. フリーライド

この曲のいいところは、古さと新しさが同居しているところだ。

ブルースやソウルを下敷きにしながら、軽いドラムマシーンの音が現在形のポップスになっている。『ELEVEN GRAFFITI』の「機材元年」と言っていた頃に本当にやりたかったのは、こういう曲だったのかもしれない。

ところで、ボーナストラックを聴いたりDVDを見たりして、田島がどうして急に大道芸人めいたことをやり始めたのか、不思議に思う人もいるかもしれない。

まぁ、ずっとライヴを見ていた人なら急でも何でもないわけで、今年2月の「ひとりソウルショウ」はおろか、すでに2009年のライヴから始めていたことだった。田島もハッキリとその元ネタを語っていた。「急」と思っていたような方は、ぜひ下記エントリを読んでみてください。

http://originallove.g.hatena.ne.jp/keyillusion/20100103

で、こないだのライヴのMCによれば、今度の秋にでも、このエントリでも触れた『ビッグクランチ』のころの「ドサ周り」をまたやってくれると言うじゃない。あのときの興奮が蘇える!

初演

2011年2月「ひとりソウルショウ」

2. バイク

王道のポップス。自己引用的に、かつての曲がいろいろと頭をよぎる。

Aメロは「銀ジャケットの街男」。サビは「ヴィーナス」(これは賛同者が少ないかもしれないが、「ヴィーナス」のBメロと雰囲気が似ているように感じる。ベースラインか?)。間奏で「GLASS」。サックスは「ローラーブレイドレース」。「ダウンタウン」などの歌詞が『キングスロード』を思い出させる…というか、アレンジ、リズムなどがロネッツなんかの60年代ポップスを下敷きにしている。

しかし「セルフパロディ」と単純に片付けるにはあまりにもったいない、メロディの良さ。曲としてのまとまり、完成度。

初演

2010年7月「好運なツアー」ツアー:仮題「ひまわり」


3. セックスと自由

本当にカッコイイ。股間を直撃するようなこのカッコよさ、「スキャンダル」(もちろん『結晶』のヴァージョン)に匹敵すると言ったら言いすぎだろうか。

シンセとギターだけになる間奏(2'55"~)、音はスカスカなのに、あの「間」の濃密さは本当にシビれる。それこそ「スキャンダル」のフルートソロの間奏(3'00")と同じくらいカッコイイ。

「カッコイイ」とか「シビレル」とか低脳な書き方しかできないのだが、これはもう、そのくらい音楽的な本能に訴えてくるからであって、言語化など(まだ)とてもできない。

「ひとりソウルショウ」で「SEXとSURFIN'とBIKEとR&R」が仮タイトルだったヴァージョンを聴いている人の中には、アレンジの軽さを気にしている感想もあって、それも理解はできるのだが、ライヴを知らない身にとっては、この乾いたアレンジがまた堪らないのだ。

初演

2011年2月「ひとりソウルショウ」:仮題「SEXとSURFIN'とBIKEとR&R


4. カミングスーン featuring スチャダラパー

ヴォーカルとラップが重なる部分(「オープンカフェ」と「待ち合わせ」のところ)がステキだ。「今夜はブギーバック」の"逆"を自然と連想してしまう。

「たまにはハメでも外そうじゃない」のMCは、やっぱりシンコなの?

曲の軽やかさもさることながら、田島のヴォーカルの軽さがすごくいい。『キングスロード』のときに、「"自分"を消さなければいけない」と言っていたわりには濃密過ぎるヴォーカルがそれをぶち壊しているところもあったのだが、この曲は"田島貴男"が少し引っ込んでいるから、"曲"それ自体が自然と前に出てきてるように思う。

唐突な「モリッシー」の登場にニヤリとする向きもあるだろうが、もしかしたらその笑い、ちょっと保留した方がいいかもしれない。『MARQUEE』vol.20、つまり2000年の『ビッグクランチ』特集から引用。

マンチェスターサウンドがイギリスではやってた頃は、むしろマーヴィン・ゲイとかアメリカの黒人音楽にハマッてて。ジーザス・アンド・メリーチェインとかハッピーマンデーズとか、あんまり興味なくて。スミスも好きじゃなくて。でも、アズティック・カメラは大好きだった。

今でもスミスが嫌いかどうかは分からないし、あの歌詞をスチャダラパーとどちらが受け持ったのかも、現時点では不明。

初演

2009年6月「HOT STARTER 09」ツアー:仮題「ディランとブレンダ」

5. 春のラブバラッド

東京 飛行』は「カフカの城」が一番いい曲だ、と思ったこと自体が不満だった。いつもなら、そのくらいの曲ならたくさんあるのに、と。

白熱』は逆だ。この田島ならではの名バラードが、他の曲に埋もれてしまうのが困りものなのだ。間違いなく「名曲」なんだけど、正直なところ、10曲の中で一番インパクトがない。なんなんだ、この贅沢な悩みは。

初演

2009年6月「HOT STARTER 09」ツアー:仮題「小さな愛の歌」

6. ハイビスカス

はじめて聴いたときから、このアルバムで一番好きな曲。ちょっとネジくれたコード進行。独特の切ないメロディ。しかもちょっとしたブリッジのメロディまでもが、非常に凝っていて、田島の「好調さ」が窺がえる。Aメロがメジャー調なのに、サビがマイナーに自然に転調するあたりは、聴きこむほどに凄いと思う。「できすぎ」と言いたいくらい。

でも、どうしてはじめて聴いたときからそんなに気に入ったのか、さっき他所のブログを見ていて謎が解けた。SWEET SWEETさんの「ツェッペリン“永遠の詩”から派生した歌謡曲?」というコメント。レッド・ツェッペリンといえば自分がORIGINAL LOVEよりも好きなバンド*1で、「そんな曲あったっけ?」としばらく考えて、やっとわかった。まさにこの「ハイビスカス」だ。

この曲を聴いたときに、ギターの重ね方が「永遠の詩」っぽいな、と頭をよぎったのだが、そんなややこしいことじゃなかった。リフのリズムパターンが、正にソレだ。なんで今まで気づかなかったのか、自分でも不思議。ツェッペリンで一番好きな曲だというのに。

初演

2009年12月「L'ULTIMO BACIO Anno 09」:仮題「高い枝のクランベリー」

7. ふたりのギター

これも「ハイビスカス」と甲乙つけがたいほどの素晴らしいメロディ。

この『白熱』というアルバムの凄いところは、美しいメロディがまさに惜しげもなく使われていて、しかも「これで全部じゃないんだよ」とばかりに余裕を感じさせてくれるところ。

曲自体の力が強いので、どういう風にでも曲が変わる可能性を秘めている。アレンジは本当に表面的な飾りに過ぎない。(本当はこの曲のアレンジにだけ不満があるのだが、それはまた別の機会に)

今回田島は、文字通り「ひとり」でこのアルバムを作り上げたのだが、「ひとり」でこれだけの作品を作ったことが凄いのではない。いかにも「ひとり」で作りました、という感じをまったくさせないのが、このアルバムの本当に凄いところだ。

なぜそれが可能だったか。たぶんそれは、このアルバムのほとんどの曲が、先にライヴで演奏されていたからだったのだと思う。アルバム用に曲を作り、それをライヴ向けにアレンジする、という今までのパターンとはまったく逆。ライヴでまずは反応を試して、アルバムにそれをフィードバックする。『ビッグクランチ』の「女を捜せ」や「ダブルバーガー」の手法を、アルバム全編に適用したのが、この『白熱』なのだ。

ORIGINAL LOVEにとって、アルバムとライヴの関係は、とても重要な意味を持ってきた。初期はそれがうまく噛み合わなかった。ヴォーカルスタイルの変化もこれと関係がある。『Sunny Side of ORIGINAL LOVE』は、ライヴ向けのアレンジをスタジオ録音にしたものだったりする…のだが、そういう話はまたいつかまとめてできればいいな(逃)。

初演

2011年2月「ひとりソウルショウ」東芝EMI DAYS


8. 海が見える丘

最後に作った「あたらしいふつう」を除いて、この曲だけがライヴが初出ではない?

「フレンズ」や「日曜日のルンバ」のような、本当になんでもないポップス。想像だが、田島はこういう曲を書くときには、ものすごく労力というか時間がかかっているのではないだろうか。たぶん、"普通"にメロディを生み出すと、「あたらしいふつう」のAメロのような感じになるのだと思う。ああいうあたりからはじめて、ああでもないこうでもない、とやっていって、このくらいまで「なんでもない」ところまで持っていくのではないだろうか。

GOOD MORNING GOOD MORNING」がちょっとよぎる気がする。


9. あたらしいふつう

http://diary.originallove.lolipop.jp/?eid=580

曲が浮かんでから上の日記を書いたのではなく、この日記がきっかけでこの曲ができたのだそうだ。2ヶ月あまりでここまで完成させたと言うことだ。

そういう背景も知っているためだろうか、この曲だけ浮いて聞こえる。

小沢健二の『LIFE』をリアルタイムで聴いた人で、製作時期の違う「今夜はブギーバック」だけが浮いて聴こえた経験をした人は、この文章を読んでいる人の内には結構いると思うのだが、ちょうどその逆だ。

この曲が「浮いて聴こえる」というのは、つまりはこの曲はまだ「未完成」だと思うからだ。他の曲と違って、できたてのホヤホヤの状態、つまり「熟成」の期間を経ることなくアルバムに収録されてしまった。

では、この曲はいつ「完成」するのか。もちろんそれは、この先「ライヴ」で何度も演奏されることによってだ。折に触れこの先、いろんな機会でこの曲は演奏されていくことだろう。まさに「新しいスタンダード」を目指しているのだ。先日のツアーではどうだったのだろう? そういう観点から何か思い当たるフシがあったなら、ぜひコメントをください。


さっきも書いたが、この曲のAメロには、ものすごく田島の「素」を感じる。あの独特のリズムは、田島の自然なところから発生しているような気がしてならない。こういう「観念的」なメロディから始めて、頑張って頑張って、やっとBメロのような自然で美しい「肉体的」なメロディを生み出しているのではないかな。


あと、Twitterで知った情報なのだが、「あたらしいふつう(をつくる)」というのは、実は日本郵政の民営化(2007年10月)に際してのスローガンなのだそうだ。その「あたらしいふつう」という言葉について、いろんな人が図らずも正面から丁寧に考察をしてしまっている(どういうわけかは読めばわかります)面白いページをやはりTwitterで知った。この曲を念頭にしておいて読んでも面白い。

http://okwave.jp/qa/q6743671.html

まぁまさか、田島がJPからインスパイアされたとは思わないが…偶然でしょ、やっぱり。


さてこの曲で、歌詞がとても重要なのはよくわかっている。しかし実は、まだ1回しか歌詞カードを見ていないのだ。というのも、歌詞を読んで云々かんぬんという、自分にとって不慣れなことをさせる気を、このアルバムはまったく起こしてくれないのだ。ただメロディに身を任せて聴き入るのみ。それだけで十分に歓びを与えてもらえる。そんなアルバムなのだ。

というか、歌詞の考察については、やっぱり「餅屋」にお任せしたい。さすがだ。

ひとりひとりの「白熱」がある!~歌詞から見たオリジナル・ラブ『白熱』論

10. 好運なツアー

2010年夏のツアータイトルにもなった曲。満を持してアルバムの有終を飾った。

なぜ「好運なツアー」なのかは、下記の日記を参照。

http://diary.originallove.lolipop.jp/?eid=89

しかし、「好運なツアー」で日記を検索した方が、さらにいろいろな背景が見える。

http://diary.originallove.lolipop.jp/?search=%B9%A5%B1%BF%A4%CA%A5%C4%A5%A2%A1%BC

ひとつ考えてみたいのが、「好運」の意味ではなくて、なぜ「ツアー」なのか、ということ。単に「人生」のアナロジーなのか。「好運な僕たち」ではダメだったのか。まだうまく、考えがまとめられない。

初演

2010年7月「好運なツアー」ツアー


補遺

ORIGINAL LOVEもすっかり聞いていないな…」という人へ向けて、今回のアルバムの素晴らしさを語る!というようなことを本当は書きたかった。しかしやっぱり、自分にはその文才と音楽的素養がなかった。自分に書けるのは、今でもORIGINAL LOVEが好きな人の、好きな人だけが分かるような文章。

しかし、「最新作が最高傑作!」というような盲信的なことが言いたいんじゃあないんです。今までちょっとでもORIGINAL LOVEを好きな時期があったなら、ましてやこんなブログをはるばる辿ってきたような人になら、本当にオススメです、『白熱』。このアルバムは、未来を創造するかのような過去が詰まり、過去の道程を辿る未来が感じられる、そんな一枚なのです。


補遺の補遺

前半は「バイク」に乗って軽快に流れるような感じ。河川敷で自転車でのんびりサイクリングしながら聴いたら、本当に気持ちが良かった。公道でやったら道交法違反です。為念。

「春」とか「花」とかは、『白熱』のキーワードのようなものなんだろうけど、さっきも書いたが、実はまだ歌詞カードを1回しか見ていないのでなんとも言えない。餅屋さんがまとめてくれるといいな。


初演情報を書いてみました。もしかしたら不正確かもしれないので、ご指摘お願いします。

*1:本当ですよ。ブートマニアにはなれないけど。

SWEET SWEETSWEET SWEET 2011/07/22 01:46 これまたコメント意欲を掻き立てる、素晴らしい「白熱」エントリでした。
良い!「白熱」然り、良いものは「良い」とひとことで伝えるのが一番説得力を持つ気がします。


以下、keyillusionさんのエントリから刺激されて思い浮かんだ雑感を(あまり本文に触れられていませんが、感想はひたすらキリがなくなりそうなので)。

かつて(今も?)代名詞が如く使われていた「スタイリッシュでアダルト」という文脈のオリジナル・ラブへの評価は、間違いとまでは言わないまでも、その魅力を十分に伝える言葉ではなかったように思います。
どちらかといえば、スタイリッシュからはみ出す「汗」や、アダルトから零れたパンクスの「無邪気さ」にこそ、田島貴男という人間の真価という気がします。伊達なのにかわいいんですよね。

ところが「白熱」はこれまでのキャリアで最も「スタイリッシュでアダルト」といえるかもしれません。
それは無意味なレッテルとしての「スタイリッシュ」ではなく、試行錯誤した末に到達したであろう軽さ。背伸びして聴く表面的なムード音楽ではなく、音楽から離れてしまった大人を呼び戻す「ティーンのためだけではない」ポップス。
大人という言葉を使わずにはいられない、40代にしか作れない“ただの”ポップス。


>この曲を聴いたときに、ギターの重ね方が「永遠の詩」っぽいな、と頭をよぎったのだが

田島貴男がかつて、60〜70年代のルーツロックにつよいレコ屋でバイトしていたという経験は、彼が書く曲に時折顔を出してきますが、「東京 飛行」から「白熱」リリースまでの間に行われたライブで聴いた新曲群には、そういった年代のロックの影響がかなり顕著に表れていました。
今回は見送りとなった「路上」という曲は、CCRの「雨を見たかい?」をすぐに思い浮かべたし、「ハイビスカス」の原型である「高い枝のクランベリー」は「永遠の詩」を思わせるギターアンサンブルを取り入れた、今よりミディアムテンポの曲だったと記憶しています。keyillusionさんが指摘する通り、その名残りは「ハイビスカス」のイントロなどで聴くことができます。

では「ハイビスカス」が大陸の香り漂う“洋楽”かというと、これがそうでもない。むしろ受ける印象は男っぽい“歌謡曲”と言えるかも。いなたいのにスタイリッシュ。洋にも邦にも転ばない、この辺りのギリギリを行くさじ加減はもはや唯一無二です。
つい最近、ツイッター上で長山洋子の“ハートブレイカー節(博多山笠女節)”を面白がっていましたが、この曲も充分ユーモラスです。

続く「ふたりのギター」も同様に、オリジナル・ラブの歌謡曲。
とはいえ音楽の国生まれの外国人、田島貴男の作る歌謡曲なので、いわゆる「日本人の心に沁みる」といった類いのシケっぽい音にはなりません。やはりどこか洋楽的。
まだまだ様々な角度から、このアルバムを楽しむ方法がありそうですね。


>このアルバムは、未来を創造するかのような過去が詰まり、過去の道程を辿る未来が感じられる、そんな一枚なのです

この名フレーズ、ジャケの帯に入れたいです。

SWEET SWEETSWEET SWEET 2011/07/22 01:50 >アダルトから零れたパンクスの「無邪気さ」にこそ

→アダルトから零れたパンクスの「無邪気さ」こそ

誤字が多くてすみません。

keyillusionkeyillusion 2011/07/22 17:38 誤字は気にしないでください。「はてな」のコメント欄は、そういう修正ができないインターフェイスなので…(なんとかならんのかな)。

>どちらかといえば、スタイリッシュからはみ出す「汗」や、アダルトから
>零れたパンクスの「無邪気さ」にこそ、田島貴男という人間の真価という
>気がします。伊達なのにかわいいんですよね。

ここですよね。ORIGINAL LOVEにハマるかハマらないかの分水嶺は、ここを受け入れられるかどうかにあると思います。個人的な経験からも、実は初めてのライヴが「オレは渋谷系じゃねえ!」と叫んだ例の伝説の公演だったんですが、アルバムではあんなにスタイリッシュなのにライヴではすごく「バカ」だったそのギャップに、心を撃ち抜かれてしまったわけです。

「路上」はそういう感じの曲だったんですか。
今回のアルバムは、『東京 飛行』をまたいで、やっと『キングスロード』の成果が結実したアルバムなのかもしれませんね。

「洋楽くささ」というのは、ORIGINAL LOVE のアイデンティティのひとつだと思うんですが、それを「スタイリッシュ」というならば、たしかに『白熱』はスタイリッシュなアルバムですね。

>大人という言葉を使わずにはいられない、40代にしか作れない“ただの”ポップス。

うん、今回はそうですね。でも田島はきっと「大人」というキーワードは拒否するのでしょうね。パンクやロックの真髄に一度でも触れた者なら抱くはずの「反体制」。あるの体制に組み入れられようとする瞬間には、すぐに別の方向へ逃げようとする。別の言葉で言えば「天邪鬼」なわけですが(笑)、40代を過ぎたミュージシャンに与えられがちな「円熟」というキーワードからは、きっと逃げ続けるでしょうね。田島は10年前に「ニール・ヤングみたいな爺さんになりたい」と言っていたのですが、サウンド的な話ではなくて、スタンス的な話として、たしかにそういう風になってくれると嬉しいですし、それができる人なのではないかと思います。


ところで、『サウンド&レコーディング』を昨日買いました。「ひとりで全部やってみて、やっぱり音楽は『分業』で作るべきだと思った」と言っていました。バンドスタイルのことではなくて、レコーディングに関する意見ですが、やはり「ひとり」アルバムは今回が最初で最後になるでしょうね。日記によればすでに新しいステップに踏み出しつつあるようですし、今後の展開が非常に楽しみです。

keyillusionkeyillusion 2011/07/22 17:45 >田島貴男がかつて、60〜70年代のルーツロックにつよいレコ屋でバイトしていたという

そういえば昨日ウチのカミさんと話をしていたのですが、渋谷のHi-Fiってもう閉めてしまったんですか?

SWEET SWEETSWEET SWEET 2011/07/23 01:10 は〜、あの渋公ライブがデビュー戦ですか!やはり縁が深いというかなんというか。


>でも田島はきっと「大人」というキーワードは拒否するのでしょうね。

大人だとか大人の鑑賞に耐えうるロックだとかクソだと思っているでしょうね(笑)。もちろんそういうところが好きなわけですが。

いやしかし、今回ばかりはそういう手垢のついた言葉で修飾したくなる気持ちも理解できるというか、適当な言葉が見当たらないのだけれど、確実に「若さ」という価値以外の新しい表現方法を獲得しているように思いましたね。さりげない言葉の中に、今の年齢でしか伝えられない、本当に胸を打つなにかが含まれていますよね。ハーレーから始まった2輪への好奇心が「バイク」という名曲に結実しているのが素晴らしい。

尖ったままで未だに錆びないニール・ヤングは、ロックのひとつのゴールですよね。今のオリジナル・ラブで、轟音ギターで囁く4ピースとか凄くいいですね。

サンレコを読んで、専門用語の多さだけで「この人すごい」と感心しそうになりました(笑)。
「20年目の宅録」を納得するまで試したいま、どんな形でバンドスタイルに還元されるのかが楽しみです。

ハイファイまだあるはずです。ないのか?今度近くを通ったら確認してみます。

keyillusionkeyillusion 2011/07/23 15:45 >大人だとか大人の鑑賞に耐えうるロックだとかクソだと思っているでしょうね(笑)。

そうそう!今回のインタヴューでもどっかでこう言ってくれないかな、と密かに期待しています(笑)
たぶん、われわれと同じようなそういう感覚を持たれている方で、もう10年以上のお付き合い(ネットでですが)がある方が、『白熱』のレヴューを新たに書かれていました。SWEET SWEETさんなら琴線に触れる部分があるはずです。
http://www.tokyo-ongaku.com/?p=876

>今のオリジナル・ラブで、轟音ギターで囁く4ピースとか凄くいいですね。

今回の曲たちが、今後どういう風にライヴでアレンジされていくのか、楽しみです。考えてみたら「4ピースで」というのはデビュー前のころ以来となるわけですから、それでまた納得の行くバンドサウンドが完成したら、ライヴアルバムが出るの可能性もありえますね。

>サンレコを読んで、専門用語の多さだけで「この人すごい」と感心しそうになりました

やっぱり「職人」なんですねえ。アウトラインはなんとなくわかりましたが、さすがに個々の機材のことを並べられてもチンプンカンプンでした。
個々の機械は、それを選択した理由などあると思うのですが、サンレコが『ムーンストーン』のころに田島のプライヴェートスタジオを特集した号と比較して、どういう風に変化しているのか、時間があったら検証してみたいです。

SWEET SWEETSWEET SWEET 2011/07/23 20:03 トーキョーオンガクサイト、読ませていただきました。もう「その通りですね!」の連続でした。素敵なサイト(というかお知り合い)を紹介していただき、ありがとうございます。やっぱりドアーズ入ってるよなあ。
みなさんそれぞれの視点や得意分野があるし、個性的なファンの方々の振り幅がそのままオリジナル・ラブの幅なのでしょうね。

>ライヴアルバムが出るの可能性

これはかなり現実味を帯びてきましたね。自分は今のインディーズという形態は賛成なんです。
制作からプロモーションまで、ほぼすべてを自分達の手で請け負わなくてはならないぶん、今まで以上に「売る」ための面白いアイディアを出さざるを得ないと思うんです。
今回の「フリーライド」撮影のように、実験的なアイディアや宣伝方法を試すのは、メジャーレーベルに任せっぱなしだった今までよりも、「トータル」としてのオリジナル・ラブ・ブランドを作り上げていく良いチャンスだと受けとめています。今後ファンクラブが充実していく可能性も多いにあるでしょうしね。充実させなきゃダメ絶対。
なにより、すべてを面白く実験の場にしていくことこそ芸術的であると思うんです。

必然的に、行われたライヴを音源や映像として売り出すのは、制作費諸々の面から言っても、間違いないでしょうね。事務所側とリスナー側の利害が一致する、ナイスな案だと思います。まああんまり制作費の心配するのもどうかと思いますけどね(笑)。


>やっぱり「職人」なんですねえ

「白熱」を聴く前の予想がはずれました。「職人」としての魅力をたっぷり味わえるアルバムでした。しかし本当にマニアックさを見せたがらないよなあ。「オレの知らない音楽をいっぱい知ってる!」という尊敬の仕方をしている身としては、ミュージック・マニアとしての偉大さも、もう少し前面に押し出してくれてもいい気がします。

keyillusionkeyillusion 2011/07/25 22:22
メジャーレーベルが巨大企業のサラリーマンなら、インディーズは音楽的な「独立開業」ということですよね。それなりの顧客は掴んでいるからアッサリ閉店…という事態は心配しなくてもいいと思いますが、当人たちにしてみればちょっと大変ですよね。…まぁポニキャンの末期は何もしてくれなかったから、今の方がずっと気が楽なのかも。

ポニキャンが一番プロモーションしてくれたのは、『ビッグクランチ』のときの、L?K?Oと二人きりでのクラブサーキットのころだったと思うのです。あのときのミニライヴは本当によかった。ORIGINAL LOVE がバンド形態に縛られず、自由なユニットとして機能するさまを見せ付けられました。田島はやっぱりライヴがベースなんですよ。だからこそ、今回の『白熱』もあれだけの充実した内容になったのでしょう。そして、今年後半に行うと言う「ひとりソウルショウ」全国ツアーは、ぜひ見られればいいなと思います。

>なにより、すべてを面白く実験の場にしていくことこそ芸術的であると思うんです。

「カミングスーン」で引用した『MARQUEE』では、「『L』のアイデアは『DESIRE』のころからあったが、まわりが許してくれなかった」というようなことを言っています。今回のツアーの「ドラキュラ」や「明日の神話」のアレンジの話を聞くと、田島もやっぱり一度くらいは、そういう実験的、あるいは「観念的」な方向で思う存分やってみたいのかもしれませんね。

>ミュージック・マニアとしての偉大さも、もう少し前面に押し出してくれてもいい気がします。

東芝EMI時代は、彼に付いていけば音楽の先端がわかるような気持ちにさせてくれましたからね。今でも膨大な音楽を聴いているんでしょうが(今は映画の方が多いのか?)、アンテナに触れたところを、『EYES』のころのように、時流の先端のポップスを何の衒いなく出してしまうような、そんな作品もまたこの先、生まれるのかもしれませんね。


それから、トーキョーオンガクサイトが気に入っていただいてよかったです。あそこを読むと、自分が分離して書いたんじゃないか?というような錯覚に陥ることもあります。その一方で、今回の「春のラブバラード」の評価のように正反対になることもあるのが面白いのですが。

rararapocarirararapocari 2011/07/26 00:16 遅ればせながら、餅屋(笑)です。お褒めの言葉ありがとうございます。
「ハイビスカス」は面白い歌ですよね。自分も、このメロディ大好きです。
今回、自分にとっては苦手曲が皆無という点で、オリジナル・ラブとしてはかなり異例のアルバムです。敢えて苦言を呈するなら3曲目のタイトルくらいですかね。

>(本当はこの曲のアレンジにだけ不満があるのだが、それはまた別の機会に)
自分は、サックスの入る2番のあとのブリッジ部分のドラムが猛烈に気になりますね。
ズンドコアレンジとでも言うべきカッコ悪さがあります。
そうして曲を最初から聴き直すと、ドラムアレンジがおざなりな気がしてきます。
そのあたりでしょうか。
(また別の機会でもかまいません)

keyillusionkeyillusion 2011/07/27 12:37 そういえば、「苦手曲」がありませんね。「春のラブバラード」が名バラードであることは、論を俟ちません。3曲目のタイトルは、(笑)付きで自分としてはOKです。

>そのあたりでしょうか。

まさにそこです。いろいろと理由を考えていたら、別エントリを立てられそうな感じになってきたので、そちらを待って下さい。

ゲスト



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