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バベルの塔または火星での生活 このページをアンテナに追加 RSSフィード

IDを変え、引越しました。 現在は https://originallove.g.hatena.ne.jp/keyillusion/ です。

2005/04/12 (火)

[] その1『ELEVEN GRAFFITI その1『ELEVEN GRAFFITI』 - バベルの塔または火星での生活 のブックマークコメント

全アルバムを改めて聴きなおすシリーズの1回目。マイランキングの各アルバム版です。

最初は、マイランキングで奇しくも"11"番目となった『ELEVEN GRAFFITI』から始めます。

ELEVEN GRAFFITI

ELEVEN GRAFFITI

おことわり

実際に曲を聴きながら、思い出すことを思うままに書いています。そして、「今、この時点でどう聴こえるか」ということを主眼にして書いています。昔話が多いのは、曲にまつわっているイメージをそのまま書いているからであって、曲の解説のつもりなのではありません。したがって、いちいち裏を取る作業は省略していますので、信憑性を少しは疑ってください。

アルバム全体の評価は、http://originallove.g.hatena.ne.jp/originalovebeer/20050309/p12を参照してください。それを前提に書いているところもあります。

1.ティラノサウルス

人力ドラムンベースで、このアルバムを象徴する1曲。当時は「田島ドラムンベースに接近」といくつかの雑誌記事でも取り上げられていた。しかしドラムンベースが「最先端」だった時期はその1~2年前くらいだったので、田島のアンテナの鋭敏さを見せ付けられたような気はしなかった。

まぁ実際、ドラムンベースはあくまでも素材にすぎない。そして今聞けば、思ったよりもアコースティック感が強いことに気づかされる。どちらかといえば、次の「ペテン師の歌」と並んでベックの影響が強い1曲なのではないだろうか。

2.ペテン師のうた

前曲と並んで、「機材元年」のこのアルバムを象徴する1曲。やはり今聞くと、機材云々よりもアコースティック感の強さが目立つ。印象的なベースリフは、ソウルの元ネタがあるようだ。「渋谷系」時代に田島が十二分に発揮していたミクスチャー感覚が、90年代後半になって再び顔を出した曲か。

子供の声は、魂列車1号がドイツかなにかで手に入れたCDのサンプリング、だったっけ? リコーダー田島が吹いていたんだよな、たしか。

3.ビター・スウィート

一転、機材が影を潜め、アコースティックを前面に出した小品。メロディの甘さは田島貴男ならではの一級品。前の2曲や『DESIRE』にはない素直なメロディラインに「まだまだ田島もやるもんだねぇ」と思っていたら、大学時代に作った曲のリメイクなのだそうだ。

リコーダーとグロッケンの可愛らしさが曲にピッタリ。中山努のオルガンとシンセの入り具合は、木原龍太郎を思い出させる。1,2曲目と3,4曲目には大きな断絶があるような印象を持っていたのだが、今改めて効くとリコーダーやらオルガンやらで、「ペテン師」から緩やかにこの曲に繋がっていることに気づく。


4.アイリス

プライマル」の発展系というか、田島大得意の極甘バラード。当時「失楽園」ブームで、そのドラマのタイアップに用意した曲なのではないか?と思うほどの不倫の歌。その後実際にテレビドラマ化されていたときの主題歌は、この曲を超えるものではなかった。

この曲がシングルカットされなかったのは、「プライマル」の持て囃され方にさすがの田島もウンザリしたためなのか、宣伝の下手さなのかは、どうにもよくわからない。ただ、テレビのライヴで1回歌っていたので、もしかしたらそれで「あわよくばクチコミで…」というのを狙っていたのかもしれない(笑)。

この曲の極甘さには、さすがのファンも付いていけない人も多いだろう。自分は、バラードに極甘ものが多いハードロックが元々好きだったせいもあるのかもしれないが、どツボに嵌った1曲だった。「接吻」や「二つの手のように」にハマり、しかし「プライマル」にはちょっとだけ物足りなさを感じていた自分には、この上ない名曲だった…いや、今聴いても素晴らしい。これが下手にシングルカットされて中途半端にヒットしていたら、ORIGINAL LOVEの現在はもっと違うものになっていたろう。いや、「バラード歌手」のレッテルに嫌気を指して、ORIGINAL LOVEとしての活動は終わっていたかもしれない。

この曲を超えるバラードはもう出ないと当時は確信していたが、3年後に「ショウマン」が出て覆されることになる。

5.2分の路上駐車

メジャーデビュー後、始めてのインスト曲。

シングル「GOOD MORNING GOOD MORNING」のカップリングだったが、2分さえもない曲。「やっつけ仕事?」と思ったりもしたが、その2曲を続けて聴くと日曜の朗らかなドライヴのムードが出ていて決して不快ではなかった。

6.ローラーブレイド・レース

「B面1曲目」らしいアップテンポナンバー。佐野康夫のドラムの面目躍如たるこの疾走感は、久しぶりに「ORIGINAL LOVEの曲らしい」感じがしたものだった。同時代のファンの「ぼくらの時代の『Jumpin' Jack Jive』だ」という評価が印象的で、今でも覚えている。

今にして思えば、バリトンサックスは例の「ジュピター」のお父さんだ。そのサックスを抜かせば、トリオでやっている曲なんだな。これはすごいぞ。

2003年のライヴのオープニングに使われて度肝を抜いたのも記憶に新しい。

7.アンブレラズ

この『ELEVEN』を象徴する、シンセサイザーとスライドギターを効かせた曲。今にしてみれば「機材機材」とはいっても、アコースティック感が強いのが、このアルバムの特長なのかもしれない。サウンドオブウォールばりの田島の厚いコーラスも印象的。このコーラスが次に出るのは「Crazy Love」か。

珍しく映像的な歌詞で、駄作の多いORIGINAL LOVEのヴィデオクリップの中でも、さすがにまともなレヴェルに落ち着いていた。

8.机の上のファントム

またインスト曲。「2分の路上駐車」と並んで、この小品2曲を加えて「11」なのか?という不信感があった。歌詞付きの曲に昇華できなかっただけじゃないの?という感じ。この曲のモチーフは、未だに知らないままなので、余計にそう感じる。

ヴァイオリンの斉藤ネコは『結晶』ラストの「セレナーデ」以来の参加。

9.サーディンの缶詰め

この曲のブルージーなサウンドは、「機材」と並んでこのアルバムのテーマのひとつだと思う。そんなアルバムの象徴的な曲があまり好きになれないから、アルバム全体の評価も少し厳しくなってしまうのだろうか。なんだか、メロディが弱い。いかにブルージーな曲とはいえ、ちょっとキャッチがなさすぎないか。

逆に見るべきは歌詞。ラフスケッチのような歌詞は、次のアルバムで「インソムニア」となり、さらに「文字化けしたホームページのようだ」と言われた「MP」へと発展していったのだと思う。

ディスクではあまり好きになれなかったが、ライヴでのパフォーマンスは好きだった。とくにリクオのジャンプ。

10.GOOD MORNING GOOD MORNING

リバーヴの効いた声といい曲調といい、最初は本当に佐野元春にしか聞こえなかった。「プライマル」~「Words of Love」の次のシングルとしては悪くないし、シングルなんだからあまり実験的なものを出してもしょうがないのはわかるのだが、どうにも平板な曲にしか聴こえなかったのが不満だった。ORIGINAL LOVEはこういう「素直なポップス」も書けるところが素晴らしいのでもあるのだが。

GOOD MORNING GOOD MORNING

GOOD MORNING GOOD MORNING

そういえばタイアップのコマーシャルは、わずか1週間しか流れなかった。実際に見たのは1回だけだった。

2004年の冬ツアーのアンコールで久々に復活。荒々しい歌い方と曲とのミスマッチぶりがなんとも痛快だった。

11.踏みかためられた大地

裏テーマであるらしいアコースティックによるバラード。「素直なポップス」なら、こちらの方が好み。「アイリス」のようなクドさはないんだが、素の田島がポツリと出ているような感じが素敵だ。『街男 街女』の「鍵、イリュージョン」の先駆といえるだろう。


聴き返してみて

「機材元年」といって、中途半端にシンセ路線に走った感のあったこのアルバムだが、今聞いてみると思ったよりもアコースティック感が残っていて、機材臭が少ない。というか、その後の『L』だとか『ビッグクランチ』だとかを知ってしまった耳には、やはり「中途半端」な機材の使い方なのだ。自分が次の『L』をあっさりと受け入れられたのも、その半端ぶりに不満を持っていたせいなのかもしれない。しかし、当時の田島はこれ以上のことはできなかったろうし、これだけでも当時のファンはそれなりに戸惑ったりしたものだ。

それから、グルーヴ感の欠如。あの佐野康夫が叩いていることを忘れてしまいかねないアルバムだ。これは逆に言えば、佐野にこれほどの冷たいビートを叩かせている田島のプロデュースを誉めてもいいのかもしれない。個人的には好きではないが。

心底嫌いな曲は、さすがにない。ORIGINAL LOVE全体として見ても、3,4,6,11は本当に好きな曲だ。でも、アルバムを象徴するような1,2,7,10のあたりにそこまでの愛着がないのが、マイランキングで11位になってしまった理由なのだろう。しかし決して最下位なのではない。11番目に好きなアルバムなのだ。

momonga80momonga802005/04/13 21:25こんにちは。カレンダーに勝手に書き込ませてもらったのですが、うまく表示されなかったので、編集してください。M-ON!TVの出演情報です。

rararapocarirararapocari2005/04/14 00:54最近聴き直した感じだと、全体的に軽やかないいアルバムだと思います。▼ベックの影響は、確かにその通りですよね。もしかしたらこのアルバム聴いてベック聴いたかもしれません。▼「ペテン師のうた」の元ネタは、CD屋で聴いて衝撃を受けた覚えがあります。もう一度聴きたいですね。▼平原綾香の父親がミュージシャンだったのは知りませんでした。▼「踏み固められた大地」は、嫌いではないんですが、そこまで褒める気にもなれません。僕の「サーディンの缶詰め」好評価と正反対になって面白いです。それ以外は、似た不満や印象を抱いているのだなあと感じました。同じようなこと書くなら、文章表現は下手でもとにかく書いてしまえ!と焦ったのが、ここ数日のマイランキングの企画執筆です。(笑)→http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050412

originalovebeeroriginalovebeer2005/04/14 01:24>momonga80 さん
改めてヨロシクお願いします。23日の「George's 1 Hour」ですよね? ちゃんと読めますよ。

originalovebeeroriginalovebeer2005/04/14 01:34>rararapocari さん
「サーディン」は、なかなか良さが伝わってきません。前曲「ファントム」との繋がりが、このアルバムの全体評価にも響いているのかもしれません。▼「大地」は本当はもっと誉めたいんです(笑)。昔はそれほど好きな曲ではなかったんですが、歳を取るためなのか、だんだん心に響いてきてます。「イリュージョン」との絡みで、なんかもっといい表現ができそうな予感もありますので、言葉がまとまったら(下手なりに)またもっと誉めたいと思います。▼平原家はまこと氏の父もミュージシャンです。

momonga80momonga802005/04/14 05:48良かった・・ほっ。みなさんみたいに使いこなせてなくて。自分のブログもだらだら気味です。あとこんなのもありました。「ヴィーナス」がカバーされます。→http://www.bounce.com/news/daily.php/5328/headlineclick
「ELEVEN〜」は、個人的に初めてライブ行ったのがこのアルバムだったことを思い出しました。「ローラーブレード」が好きです。

k.c.e.k.c.e.2005/04/22 07:47originalovebeerさん、はじめまして!rararapocariさんのところからとんで参りました。レビューじっくり読ませていただき、originalovebeerさんの音楽の造詣の深さから来る文章力に圧倒されました。私の感想はまるで小学生のよう(笑)、と同時に自分はまだまだ聴き込みが浅いなと反省させられましたです。実は自分はファン暦まだ1年半なのです。1年半でブワーッと12枚聴いての感想でしたので、こんな自分が意気揚々と口をはさむべきではなかったのかもとも思いましたが、しかしはさまずにはいられませんでした(笑)。 「アイリス」は、「接吻」のようにファンなら誰もが好きなはず、と自分は勝手に思い込んでいたのですが、往年のファンの方からするとついていけない感じもあったりするのでしょうか。某ファンサイトのBBSで、この曲について語り合いたい!と思いスレッドを立ててみたことがあったのですが、そういえば反応が思ったより少なかったです。この曲はライブでは、当時のツアーで一回演奏されたのみだそうですね。こんないい曲を作ってたこと、自分で忘れてるんじゃないでしょうか。基本的に田島さんは後ろを振り返らない方なので、仕方ないのでしょうかね。いつか聴きたいなあ...。

originalovebeeroriginalovebeer2005/04/22 10:03ご来訪ありがとうございます。少しでも「疑問」が解けたのであれば幸いです。▼『ELEVEN』が好きな人という方もたくさん知っています。『風の歌』のようにカッチリしすぎたものは苦手だとか、あの多様性がいいんだとか、聞いてみれば頷ける話ばかりです。ただ、そういう意見を自分が実感を持って書ききることは当然できないわけで、あとは好きな方のレヴューを待つのみなのです。▼「アイリス」は、たしかにもっと大事にしてもいい曲ですねぇ。でもそういえば、「接吻」「プライマル」以外のバラード曲の再演はほとんどないですね。将来、1回くらいバラードばかり歌うようなときが来る可能性もないとはいえませんが…「最近バラード歌手っていわれるのもアリかな、って思うんですよ」とか(笑)。