2010/01/03 (日)
■ [予想]2010年のORIGINA LOVE 
いつもは、時間がないのと、面倒くさいのと、曲がりなりにも会員の特権ということで、Prime Tune会報の中身についてはあえて言及してこなかった。だけど、今日は時間があるのと、「お年玉」ということで、会報の中身にふれながら、今年のORIGINAL LOVEと田島貴男について考えてみたい。「まるごと引用」ではないので、大目に見てもらいたいものだ。
目次はこちら。
http://originallove.g.hatena.ne.jp/originalovebeer/20100102/primetune
長いので折りたたみます。
たかお通信
「たかお通信」とは、Tajma's Voiceとは別に書き下ろされる田島のエッセイ。このコーナーは、田島の本音がストレートに綴られていて、会報で一番面白いところだと思うのだが、今回も非常に興味深い内容だった。
今回はこないだのクリスマスで披露したデジタルディレイマシンについて、詳しい解説をしてくれていた。
あれは、KTタンストールというスコットランドの女性ミュージシャンの影響なのだそうだ。ぜんぜん知らなかったミュージシャンなので調べてみたが、これが非常に面白い。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1033480970
この質問がとてもいい内容なので、そのまま引用。ぜひリンク先のYouTubeを見て欲しい。すごいことやってたんだな。押尾コータローのをはじめて見たとき以来の衝撃。
KTタンストールがやっていることは、彼女のデビューは2004年だそうだから、かつて田島がアシッドジャズやドラムンベースを取り入れたときのような「最先端」のことではない。もちろん田島の興味も、目新しさにあるのではない。その狙いはこんなことにあるのだそうだ。
(この奏法は)とても緊張感があるし、やりがいもある。これこそがライブ、パフォーマンスだと思うんだ。一回きりの生の音楽でありながら、デジタルループ音楽でもある、いわばハイブリットの音楽なんだ。レコーディングにしてもライヴにしても、音楽がどんどんお手軽に、安直になってゆく時代だからこそ、あえてこの新しいアコースティックスタイルをやるべきだと思ったんだ。より音楽的な音楽をやるのが、芸術的なポップスをやるのが、ぼくの仕事だと思っているからね。
Tajima's Voiceでも触れられていたように、最近「自転車」に興味が湧いているのも根っこが同じなようで、「人々は人力に回帰している傾向があると思う」のだそうである。そこに興味が向いたのも、「オートバイの運転に似て、意識をいろんなところに同時に使わなければならない」と言うように、バイクの運転がそもそものきっかけのようだ。
こうした「人力」指向は歓迎したい。もちろん「ライヴ」に結びつくからだ。たとえアルバムが出なくても、年内にもう1度はツアーを組んでくれるのではないか?と期待。
そういえば、田島が1人で演奏というと、『ビッグクランチ』発売直後のプロモーションを思い出す。正確にはL?K?Oと二人でだったが、バンド形式を取らずに、全国各地のクラブでミニライヴを数多くこなした。あのときも、同じようにサンプリングマシーンを使っていたっけ。あの10年前の田島は鬼気迫るものがあって、今でも強烈な印象が残っている。今月のツアーも、そのときのような気概でやってくれると嬉しい。
俺たちニューウェーバー
最新の会報では、オフィシャルの新コーナー「Special」の対談「俺たちニューウェーバー」が全文掲載されている。
http://www.originallove.com/WebSite/special1.html
全文掲載でお茶濁し? いやいや、とても詳しい注釈が付いていて、改めて面白い内容だった。
さっきのKTタンストールを知った耳で読み返してみると、このくだりが興味深く見えてくる。
●そういえば、前回のツアーの前に、最初期のRED CURTAINのテープが出てきて二人で聴いたんですよね。
田島「そうそう! 二人で聴いて大笑いしたよね」
木暮「すげぇー! こんなカッコよかったんだ! って言ってね」
●私も聴かせていただきましたけど、あれはすごいですね。日本でニューウェーブっていうと大概がテクノポップになっちゃうでしょ。でも、そうじゃない方向でのニューウェーブサウンドで。木暮「生バンドで人力だけで、どう聴いてもニューウェーブみたいなのっていないよね」
田島「そうなんだよね。ROUGH TRADEみたいなことやってるのって当時はほとんどいなかったし、今もいないんじゃないかな」
自分はニューウェーヴやテクノポップがずっと「ニガテ」なジャンルの音楽で、その良さがわかってきたのはごく最近なのだが、そういえば両者を同じような印象で括っていたように思う。オリジナル・ラヴのインディーズ盤を聴いていて、その印象とちょっとした違和感を感じていたのだが、そうか、言われてみればアレは「生バンドで人力」だったのだ。
田島のニューウェーヴ回帰というのは、音楽的な文脈で捉えるよりも、この会談で盛り上がっているように、「アティチュード」的なものとして捉える方がいいのかもしれないと思った。
最近の田島貴男 お気に入り調査
http://www.originallove.com/WebSite/voicepast13.html
この辺りの「Voice」で書いていたものが、たくさん挙げられている。
「本」では、2009.10.15付や2009.10.9付などのように、短歌・俳句にかなり凝っているようだ。作詞面で影響が出るのかもしれない。
「音楽」では、アレックス・チルトンを挙げている(Voiceを読み返してみたら、2009.11.20付にあった。以下同様)。包み隠さず言うと、これもKTタンストール同様ぜんぜん知らなかったのでNapsterで聴いてみたのだが、これが非常にシンプルなロックンロール。彼のいたバンド、ビッグ・スターは、80年代のガレージロックの祖であるようだ。ソロ作品を印象だけで言うと、エルヴィス・コステロに似ている。オリジナル・ラヴの名前の由来になったフィーリーズっぽくもある。
参考:http://www.ipc-tokai.or.jp/~soothe/CHILTON.html
他に、ニール・ヤングの『オン・ザ・ビーチ』(2009.11.16付)とストレイ・キャッツの『涙のランナウェイ・ボーイ』(2009.11.13付)を挙げていたのが興味深い。
この辺はさすがに音のイメージも湧いたので「へぇ」と思ったのだが、田島の音楽的な指向は、かなりシンプルなR&Rに向いている、ということができるだろう。
(「映画」については、まったくの門外漢なのでよくわからない)
2010年のORIGINA LOVE
で、やっと本題の「予想」となるわけだが。
ニューウェーヴ回帰とはいっても、単純に古いものを回顧するのではないようだ。サウンド的にはむしろ、アコースティック風味でちょっと壊れた和音がアクセントになる、わりとシンプルなロックンロール。歌詞的にもそのサウンド見合ったような、見た目はシンプルでちょっと輪郭がはっきりとしない、奇妙な余韻が残るような味のものになるのでは?
『ビッグクランチ』のころ、ニール・ヤングを指して「ああいうオヤジになりたい!」と言っていたけど、ある意味ではその理想郷に近づけるんじゃないかな?
たぶん残念な人もいると思うけど(自分の中にもその気持ちがないわけではない)、ソウルとか*1スウィートなポップスとか、あんまりそっちの方向は発揮されないと思う。
まぁ「予想」というよりは、自分がガッカリしないための傾向と対策のようなものか。異論反論はコメント欄で(お手柔らかに)。
それにしても、所属話は曖昧なままで1年が経った。以前、「インディーズ落ち」はカンベンなんてことを書いたが、正直なところ、「メジャー残留」はもう半分諦めている。まぁ形はどうあれ、次のアルバムはちゃんと聴くけど。
ただ、もうこうなってくると、「田島貴男」名義での再デビューもあり得るのではないかな? 根拠は、L'ULTIMO BACIOの出演名義くらいだけどね。そういえば、「麒麟淡麗」CMの名義がどうなるか、注目。
あ、そもそもアルバム出るのかな? それはフィフティ・フィフティ(笑)。*2
*1:http://bit.ly/7tM48z 今TVでCM流れてた。明日から?見たい!けどBSない…。
*2:ピチカートの「トップ40」です。為念
oliginallovebeerさんと名前が見分けにくいので改名しました!失礼致しました!
いつもブログ拝見させていただいてます。かなり熱いOラブ(この間木暮さんがTwitterでそう書いてましたね)ファンを相当長い間やってますが、ファンクラブには入りそびれたままなので、会報の中身かいま見られてうれしいです。今年は勇気を出してファンクラブ入ろうかな?
お気遣い、ありがとうございます。改めてよろしくお願いします。
ファンクラブは、今のところ会報とチケット先行しか活動がありませんが、もし入られるのでしたら、この駄文にもちょっと意味が出てきます。
今月がちょうど更新期なので、今がいいタイミングかもしれませんね。