2006/06/27(火)
その2『DESIRE』
マイレヴュー |
全アルバムを改めて聴きなおす「マイレヴュー」シリーズの2回目。シリーズ化しようと思っていたのに、第1回『ELEVEN GRAFFIT』からはや1年余。全アルバムとも、1年に1回は書こうという当初の意図を思い出してみると、実は、この1年でまったく聴いていないアルバムもあったのではないか…という事実が浮き彫りに…。まぁ、マイペースでいきます。
おことわり
オリジナル・ラヴ マイランキングの各アルバム版です。
実際に曲を聴きながら、思い出すことを思うままに書いています。そして、「今、この時点で、自分にどう聴こえるか」ということを主眼にして書いています。昔話が多いのは、曲にまつわっているイメージをそのまま書いているからであって、曲の解説のつもりなのではありません。したがって、いちいち裏を取る作業は省略していますので、信憑性を少しは疑ってください。

- アーティスト: オリジナル・ラブ,田島貴男
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1996/07/19
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
2006/06/15(木)
田島貴男さんとTARO MONEY vol.2
WEB |
http://www.1101.com/taro_money/2006-06-15.html
「ほぼ日刊イトイ新聞」TARO MONEYのプロモーション。
TRUE ROCKS STAY TRUE-LIVE powered by Levi's オンエア
TV |
<初回放送>
6 月15日(木)23:00~24:00
<リピート放送>
6 月16日(金)21:00~22:00
6 月18日(日)18:00~19:00
6 月19日(月)12:00~13:00
収録:2006年5月20日池上本門寺
2006/06/03(土)
ストーンズへのメッセージ(今更)
misc |
yokoさんの「田島中毒。」を見ていて、先々月の(もうそんなに!)ローリング・ストーンズの来日に対して、田島がコメントをしていたことを知った。
自分にとってストーンズは、音楽を趣味として聞き始めさせた、特別なバンドのひとつ。リンク元はもう消えてしまっていたのだが、どうしても気になって、グーグルになんとかキャッシュが残っていたのを見つけた。
1. 今回の来日公演で一番楽しみにしているところはどこですか?
2. 特にライブで聴いてみたい曲は?
3. ザ・ローリング・ストーンズへのメッセージをお願いいたします
4. ザ・ローリング・ストーンズのアルバムで一番好きなものをあげてください
1. 彼らの、かっこよすぎる立ち姿。っていうか全部!!
2.「ルビー・チューズデイ」。僕のニューカバーアルバム『キングスロード』で日本語カバーもしました。
3. 僕が日本語でカバーした「さよなら ルビー・チューズデイ」を聴いてください!!
4.『アフターマス』。コンパクトなよい曲がたくさん入っているし、何気なくイイ気分になれるから。
自分のツブヤキ
1.自分も今回も観てきましたけど、ホント、立っているだけでもかっこいいんだよなぁ(特にキース!)。まぁでも、田島にもそのパワーがあると思いますよ、公平に見て。
2.「ルビー・チューズデイ」は、結局、名古屋でしかやらなかったんだよね。さすがに聴けなかったろう(つーか、宣伝かよ)。
3.「聴いてください!!」とは、これはさすが(笑)。しかし、そんなのよりも*1、去年の11月に来日していたレオン・ラッセルに、だれか発売直後の「青い鳥」を聴かせられなかったんだろうか。
4.あれ?お気に入りが『アフターマス』になってる。あまりヒネリのない、素直なリコメンドだ。しかしもし、田島が「アンダー・マイ・サム」をカヴァーしてるのを聴けたら、もう悶絶死するだろうな…(いや、結局ドアーズでそういう事態にはならなかったから…ブツブツ)。
『キングスロード』5ヶ月目の感想
雑感 |
ついでなので、このまま続けてしまおう。
『キングスロード』も約半年聴いてきて、好き嫌いがハッキリとしてきた。一言で言えば、A面よりもB面ばかり聞いてしまう自分がいる。
「ダウンタウン」を聴くと、なぜだか「Blue Talk」を思い出す。都会の夜の開放された気分をうまく歌っているということなのかな? 歌詞も、自然と口をついて出てきてしまう。
「青い鳥」に関しては、第一印象と変わらず。この曲を聴いて、心の襞を震わすことなくいられるオリジナル・ラヴのファンなんているんだろうか?
「青年は荒野を目指す」は、格好いいよね。フォーク・クルセダースのオリジナルも、途中の変調するところが格好いい。荒野を目の前にして自分を鼓舞する様は、「草原のマルコ」(「母をたずねて三千里」の主題歌)と同じくらいシビれる*2。田島のヴァージョンは、このアルバムの中でも一番アレンジを変えているものなのだが、形は変わっても、そういう「心意気」をしっかりとカヴァーしているあたりが、本当に格好いい。
「エミリーはプレイガール」には、田島のサイケデリック音楽への思わぬ才能を再確認してしまう。やっていることは、サイケというよりパンクな感じなんだけど、幻惑感はキッチリと出ている。なんていうのか、カクカクした、グルーヴ感に欠けるギターが、案外サマになっている。オリジナルと聞き比べても、本当にいいカヴァーだと思う。しかも、おマヌケな邦題*3をそのまま歌いきってしまうバカバカしさは、田島ならでは。元祖「メジャー・カルト」デイヴィット・ボウイもカヴァーしているそうなんだけど、それも聞いてみたい。
先のキングスロードツアーで、「荒野を目指す」と「エミリー」がカットされてしまったのは、まったく意図がわからない。いやもう、ただただ残念。
それに引き換え、A面はちょっとなぁ…と思うことが多い。
まず、「きみのとりこ」が、どうにもニガテだ。ビートルズのヴァージョンを聴けば、もっと違う見方になるのかもしれないけれど、スモーキー・ロビンソンの優しい歌声のとりこになってしまった今となっては…。
そしてなんといっても、「さよなら、ルビーチューズデイ」だ。ここで、『音楽と人』2006年2月号のインタヴューから、田島の言葉を引いてみる。
このアルバムで名曲といわれる歌の素晴らしさを誠意をもって伝えたかったというか。俺が俺が!という感じで自分をアピールするんじゃなくてね。俺節とか俺道とかが前面に出ているものではなく、誰もが普通に思う気持ちを掬い取ってそれを突き詰めたものですから。俺ってどうだ!みたいに自我を押しつけるようなものではないんだよね、ポップスというのは。
この言葉をB面に照らして読むと、とてもよくわかる。「荒野を目指す」が、アレンジは違うのに同じ気持ちをカヴァーできているというのは、まさにこの考えがうまくはまったからに違いない。
しかし、「きみのとりこ」「さよなら、ルビーチューズデイ」に関してこの言葉を照らし合わせると、どうしても疑問符が付いてしまう。ただし、「きみのとりこ」は、「スモーキー・ロビンソンのカヴァーではなくて、ビートルズのカヴァー」だそうなので、そちらを知らない自分がどうこう言うのは措いておく。
でも、ストーンズの「ルビーチューズデイ」があんな無骨なアレンジになってしまうのは、どうにも理解ができない。田島の日本語訳詞を読んでもわかるように、原曲はもっと儚い感じですよ。そんなナイーヴな歌詞を、サル顔のミックが歌うそのミスマッチぶりが…おっと、これは言い過ぎ。とにかく、あのアレンジでは、せっかくの訳詞も生きてこないように思うのだ。
…えーと、うまくオチがつかないな。誉めと貶しの順番を間違えたか。本当は、『街男 街女』で宣言された「新装開店オリジナル・ラヴ」と、田島の現状なども交えてまとめたかったのだけど、例によって上手くまとまらず。
次回ライヴタイトルは「13号室からの眺め」。シュールな感じ? それとも、より日常性に立脚する感じ?
追記:いま、『キングスロード』第一印象を読み返してみたら、このときすでに同じことを言っている…。それどころか、物言いが一層キツクなっているような…。