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バベルの塔または火星での生活 このページをアンテナに追加 RSSフィード



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2007/04/20(金)

「東京 飛行」感想 その4(最終回)~「大丈夫なあたりの曲」たちについて

| 「東京 飛行」感想 その4(最終回)~「大丈夫なあたりの曲」たちについて  - バベルの塔または火星での生活 を含むブックマーク 「東京 飛行」感想 その4(最終回)~「大丈夫なあたりの曲」たちについて  - バベルの塔または火星での生活 のブックマークコメント

東京 飛行』感想シリーズの最終回。下の一連のエントリの中で触れてこなかった曲についての感想です。最後に好きな曲についてタップリ書いて、発売以来の七転八倒に一区切りを置きます。

rakuten:book:11926356

髑髏

そろそろ、この漢字が読めずにエントリに飛び込んでくる人もいるかもしれないので念のため書いておくが、「しゃれこうべ」である。

全体はジャイヴだが、多層の構成になっていて、ノスタルジックなラジオ風のサウンドからザ・フーのような轟音まで、歌詞に基づいて曲調が変化していく。この目まぐるしさと、分裂症的な繋ぎ方は、田島貴男でしかできない芸当。素晴らしい。

最終部が「DARLIN'」に酷似している。偶然なのだろうか。「DARLIN'」は、ストーリーテリングな歌詞の曲で、田島の歌詞的世界では大変重要な1曲だと解釈しているのだが、この曲もその流れを汲んでいて、なおかつ現時点での到達点なのだと思う。

カフカの城

疾走感のあるグルーヴで貫かれ、間奏では不協和音も忘れずにアーティスティクな味も忘れていない。サウンド的には、他曲を圧倒的に引き離す、完璧で孤高の1曲である。

文句なく、『東京 飛行』で一番好きな曲。こんな曲ばかりだったら、もっと晴れやかな気分でこのアルバムと接することもできただろうに? いやいや、いかにも「オリジナル・ラヴっぽい」曲であるのもたしかで、「新しい引き出し」などはない1曲でもあるから、そっちの方で不満を漏らしたに違いない(笑)。

明日の神話

シングルで聞いたときは、「可も不可もない曲」とたしかに書いた。

しかし、今ではもっと積極的に評価している。この曲の持つ壮大な世界観を実感できるようになった。

まして、この曲だけが「マイレヴュー」で書いたように「喪失感」のない曲だとわかってなおさらに。

夜とアドリブ

好きな曲なのだが、曲が持っているせっかくの雰囲気を十二分に堪能できていない。「明日の神話」「ZIGZAG」とシングル2曲の後から繋がるので、最初に過度の期待をして聴いてしまった。しかも、クレモンティーヌへの提供曲「リタがダンスを踊るとき」のリメイク作品だったので若干拍子抜けしたのが、今も尾を引いている。情けない。

さて、この曲の「東京」と、自分が生まれてから30年間住んだ「東京」とは、まったく別のものだと思っている。この曲(とアルバム)の都市には「東京」という名前が与えられているが、これは別に実際の東京ではなくて、「都市」であればどこでもいいのではないかと思う。

このあたりに絡んで、http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20061226では、「田島=外国人説」という面白い話が展開されていた。そこの表現を借りればこの曲は「外人が見たトーキョー」といった感じなのだ。生活感がない。ただ、そこにこそこの曲の魅力があるのはわかる。

そういえば、『DESIRE』は民族音楽のアルバムと解釈されがちだが、田島が言うには、あれこそが「東京のポップス」なのだそうだ。田島の東京観は、大人になってから東京に住むようになった「上京者」のそれに近いのではないか。

街男 街女』でも、まるでテーマパークのような現実感のないシティポップス絵巻が繰り広げられていた。『東京 飛行』は、『街男 街女』の延長である、と田島が言っていたが、この曲から考えてみると、実にそのとおりだ。

遊びたがり

カフカの城」の次に好きな曲。途中はとても胸が切なくなり、最後は解放感を得られる1曲。折々に書いてきたが、『結晶』の「セレナーデ」の流れを汲む1曲であるのは間違いない。人を愛したことへの感謝の気持ち。田島もまだこんなナイーヴな歌詞が書けることを確認できたのがうれしい。そして、歌詞の表現力は増しているのに、伝えたいことは変わらないという安心感も。


アルバムの全体印象

本当はこの「遊びたがり」で終わってくれてよかったと思う。その方が、「夜とアドリブ」との対比が際立って良かったのではないか。

最後に「エクトプラズム、飛行」を蛇足してしまう感覚が、うまく理解できない。「映画のようなアルバム」というのが、いまひとつピンとこない。前衛映画のような感じなんだろうか。でも、ちょっとセンスないよなぁ、と思う。

方々で言われているほど、今回のアルバムは、「前作と比べて聴きやすいアルバム」なんだろうか?と、このあたりでは疑問に思う。前作『街男 街女』の方が、全体的に収斂していて見通しが良いが、今作は焦点が定まっておらず、かえってカオス的な印象があるのだけど。(「都市」なんてそんなもんか?)

クドいかもしれないが、次作はぜひプロデューサーを立てて欲しいなぁ。このアルバム、中途半端でアンヴァランスな感じが否めない。歌詞への力の入れ方に比べて、音楽が留守になっているような気がする。もちろん、ギター一辺倒なのも不満…いや、反対に「カフカの城」も「夜とアドリブ」もなくて、いっそゴリゴリのギターサウンドだけで固めてもよかったのではないだろうか。そんな意味でも、なんか煮え切らない一枚。


…また辛口批評になりつつあるので、最後に少し建設的な話で締めくくろう。かつてrararapocariさんが、苦手な『ビッグクランチ』について愛情の裏返しと思えるほどの感動的な「苦手分析」をしてくれたことがあった。

http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050418#OL

この『ビッグクランチ』で挙げられている「評価の低い3つの理由」は、自分にとってこの『東京 飛行』にそっくりそのまま当て嵌まる。評価の低さは、愛情の裏返しなのである。